💦母の足を洗う💦
こんなお話を聞いたことがあります。
多くの人が試験を受けに来る、ある会社の社長のお話です。
その人は必ず自ら面接をするのだそうです。
ある年のこと、面接に来た学生に向かって社長は聞きました。
「君は、お母さんの足を洗ったことがあるかね?」
その学生は正直に、
「洗ったことはありません」
と答えました。
それからいろいろと質問した後に、社長は見所があると思ったのでしょう、
「君、◯月◯日までに、お母さんの足を洗ってから、もう一度この会社に来てくれ」
と言ったそうです。
学生は実家に帰った時、お母さんの足を洗おうと思いました。
ところが、いざ母親の足を目の当たりにすると、
目頭が熱くなり、
とうとう、その足にしがみついて泣き出してしまったそうです。
学生は約束の日に会社に行き、社長にそのことを話しました。
「私の父は戦争で亡くなりました。
母は女手一つで私を大学まで出してくれました。
『こんなに足をヒビだらけにして、どんなにか苦労したんだろう』
と思うと、母の苦労が身にしみるようによくわかりました。
私は故郷で、母と一緒に暮らしていきたいと思います。
ありがとうございました」
私たちは本当に多くの人の「おかげ」の中に生かされているのだと思います。
そのことに対して、
「おかげさまだなぁ。ありがとうございます」
と言える世界を持つことが大切だと思うのです。
(「みやざき中央新聞」H29.2.27 住職佐々木さんより)