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他人を背負う

2017-03-04 08:39:57 | お話
🌸🌸他人を背負う🌸🌸


結核撲滅運動のためにネパールで18年間ボランティア活動を行った岩村昇先生のお話です。

当時のネパールは医療制度が整っておらず、

岩村先生の診療所には、もうどうにもならないような患者ばかりが来ていました。

そんな現場に先生は

「ここで待っているだけではいけない。

自分で探して治療しなければ」

と思い、村から村へ患者を探して歩きました。

するとある村で、結核にかかっているおばあさんを見つけました。

先生は

「このままでは助からないので、

なんとか自分の診療所に連れていって治療したい」

と思いました。

しかし、診療所までは歩いて3日かかります。

先生には、おばあさんをおぶって連れていく体力がありません。

先生は、

「どうか若者を遣わせてください」

と祈りました。

その祈りが聞き届けられたのか、

1人の青年が通りかかり、

「ちょうどその町まで塩を買いに行くところです。

僕が連れていきます」

と言いました。

そして青年は三日間おばあさんをおぶって診療所まで連れていってくれました。


先生は大変感動し、

通常の賃金の3倍のお金を包んで渡そうとしました。

しかし、青年はお金を受け取ろうとはしませんでした。

青年は言いました。

「僕は若く、人生も長い。

おばあさんは歳をとっているから、もうあまり長くない。

そのおばあさんに僕の人生の三日間をプレゼントしただけだよ」

その青年は、

「サンガイ・ジウネ・コラギ」

と言いながら診療所を出て行きました。

その言葉は

「みんなで一緒に力を出し合って、助け合って生きるために」

という意味でした。

岩村先生は、彼の後ろ姿を見つめながら言いました。

「あの青年は裸足で歩き、しかも汗と泥で真っ黒になったシャツ1枚しか着ていない。

その青年が、全くお金に手をつけることなく、

『みんなで一緒に力を出し合って助け合って生きるために』

と言い残して出ていった。

人間というものは、こんなにも無償で人のために尽くすことができるのだ」

と。


(「みやざき中央新聞」H29.2.27 住職佐々木さんより)