hideyukiさんの、令和もみんなガンバってますね!笑み字も!Webにも愛と光を!

日々の楽しい話、成長の糧などを綴ります。
楽しさ、感動、知恵が学べる。
(^_^)私はとっても普通の人です。

繁栄の法則③

2017-03-08 13:34:59 | お話
🌸🌸繁栄の法則🌸🌸③


▪️佐藤、私は新潟で父が経営するキッチン用品の開発、販売の会社に入る前、コールセンターの運営会社に勤めていました。

クレーム対応の仕事を5年間続けたわけですが、

コールセンターは苦情対応の仕事を苦にしての、離職率が高い職場です。

その頃の上司は、どうすれば社員満足度を高めて皆が働きやすい職場環境をつくれるか、大変心を砕いていたんです。

そういう尊敬できる上司の姿勢と、

「徳を積むことの大切さ」

を教えてくれた両親の姿が相俟(あいま)って、私の経営者としての考え方のベースをつくってくれたように思います。

父から「そろそろ戻ってこないか」と言われて、オークスに入社したのが2002年。

北川先生にご指導いただいたおかげで、

いまでこそ自社商品が年間150回もマスメディアに取り上げてもらえる注目企業になりましたが、

私が入った頃は、社内の雰囲気は荒(すさ)んでいました。

父が病気がちだったこともあってリーダーが不在、挨拶もしない、

社員は皆バラバラといった感じでした。


入社してすぐ、3人の社員から別々の時に同じこと言われたんですね。

「佐藤さん、うちの会社は暗いと思いませんか」って。

自分が後継者として入った会社でいきなりそんなこと言われて、すごくショックでした。

🔹鎌田、辛いですね。

▪️佐藤、それで5年くらい経った2008年に北川先生の『繁栄の法則』を読み、

実際に先生ともお会いして、この方向でいけば間違いないということを確信できたんです。

私が講師となって『繁栄の法則』をテキストに幹部社員の勉強会を開きました。

十人くらいで感想文をもとに意見を交わしたのですが、

その時、私は自分の会社が『繁栄の法則』を実践できていないこと、

そのために業績も上がっていないこと、(その年、会社は赤字決算でした)

が、本当に不甲斐ないく情けなく感じて、幹部社員の前で思わずボロボロと涙を流して泣いてしまいました。

幹部社員は皆、私が涙を流す理由を察して、何人かが一緒に泣いていました。

いま振り返ると、この時から流れが変わってきたように思います。


🔹鎌田、どのように会社は変わっていったのですか。

▪️佐藤、1つは先生がセミナーでよくおっしゃるように、

原点に立ち返って掃除を徹底するようになりました。

徹底的に掃除をすることで、何事に対しても徹底する「徹底癖」が会社に根づきました。

🔺北川、ああ、心を磨く掃除は繁栄の1番の基本ですからね。

▪️佐藤、それから先生はいつも感謝することの大切さをお話しになりますが、

再度私の簡単なお礼状のやりとりを「サンクスカード」という形で進めました。

これをやり始めて社内でのコミニュケーションがとても充実してきました。

それまで頻繁に起きていた社員間の衝突や仲違いも次第になくなっていきましたね。

そういえば、震災が起きた2011年にこんなことがありました。

震災の影響もあり、この年の業績は決して芳しいものではありませんでした。

しかし私たちは11年ぶりに、あえて社員旅行に行ったのです。

全額会社負担での沖縄旅行でした。

🔹鎌田、業績不振の年に。

▪️佐藤、というのは、北川先生から「予祝」という言葉を教えられていたんですね。

これは1番条件の悪い時に、その悪い状況の波に飲み込まれずに、

明るい未来を先取りして皆で喜び会おうという考えです。

俗な言葉で言えば「景気づけ」ということです。

「社員旅行なんか行っている場合ですか」

と言ってくる幹部社員もいましたが、

私の一存で

「行くんだ!」

と決断しました。

これはオーナー経営者だからこそできたことだと思います。

🔺北川、エレベータもそうだけど、どん底まで落ちたら、あとは昇るだけでしょう。

どん底に落ちたら、皆落ち込んでしまうんだけど、

そこで頑張った人はV字回復をする。

どん底を嘆くのではなく、どん底を祝え、

そこから反省して、再出発という逆転の発想ですね。

▪️佐藤、実際、この旅行を社員たちはものすごく喜んでくれました。

社員に一流と感動を体験してもらうためにホテルもいい所に泊まりました。

驚いたことに、その翌年から次々にキッチン雑貨のヒット商品に恵まれてメディアでも紹介され、

数百万円の旅費の何十倍という利益が出せるようになりました。

沖縄旅行を予祝としたら、まさに本祝ですね。

たとえ今はどん底にあったとしても、

その波に飲み込まれずに、

気持ちを明るく持って社員に感謝の思いで利益を還元していくと、

その何十倍もの利益が返ってくる。

そのことを実地に体験させていただいた出来事でした。


🔺北川、佐藤社長と鎌田社長の深く覚悟して取りかかるという話を聞きながら思ったのは、

社長の肚を決める度合いというか、

覚悟のレベルに応じて社員が活性化することで運も顧客も不思議なほど引きつけるんですね。

そうなると、今度は会社はいろいろなものを引きつけるようになる。

思いもしなかったのにメディアが商品を取り上げてくれって大ヒットするというのはそれですね。

もう一つ、ホークスが成長を遂げているのは、佐藤社長自身が社員の意見を吸い上げることができる人物になったというらことでもあると思うんです。

受け入れる幅が広がったというのか、人間的な成長があったのではないですか。

▪️佐藤、変わったかどうか自分では分かりませんが、

私が意識しているのは、部下がいい意見を出した場合、

社長である私のプライドで受け入れない、といったようなことはしない、

ということです。

私の方針に「社長、それは違いますよ」と現場から指摘を受けて、

それが理に適っていると思ったら、「もっともだ」と私の考えを取り下げることも少なくありません。

🔺北川、会社が変わる1番の根本は何に目覚めるかという、

社長の悟りというか、胆力、人間性の大きさなんですね。

そうなるといつの間にか社会も変わってきます。

自分では分らないでしょうが、私はいつも佐藤社長を身近に見ていて人間的な器が自然と大きくなっていることを感じていますよ。

▪️佐藤、そう言っていただけると嬉しいです。

私のことはともかくとしても、社員がすごく生き生きと楽しそうに仕事をするように変わってきたことは強く実感します。

ありがたいことに、匿名での社員満足度アンケートでは

「大切な友人に我が社で一緒に働くことを勧めたいですか」

という問いに対して、

十点満点中九点以上が全社員の60%、なな点以上が83%にも上がったのです。


「自慢できる会社だから」

「会社に行くことが楽しい」

などが理由として挙がっていましたが、社長冥利に尽きます。

業績面では、ヒット商品に恵まれた年、そうでなかった年で、売り上げに上下はありますが、

おかげさまで、利益率はずっと上がり続けています。

それは私たちがアイディアとデザインに徹底的にこだわり手間隙(ひま)をかけて開発した高付加価値商品(=利益率の高い商品)の売上比率が伸びているからです。

🔺北川、「会社のために生きるという法則」を実践している企業は、不思議とどこも利益が上がっていますね。

人員をふやしたり残業をしなくても経営に余裕が出てきて借金を次々に返せた、という経営者がたくさん出ています。

この繁栄の根本の法則は大昔から神が準備されていた。

我われはただそれを気がついて受け取るだけでいい。

私はこの準備された法則を受け取るように勧めているだけです。

例えば、相手の幸せのために祈ること、

傷を受けても許すこと、

怒りなき生活、

相手の喜びを自分の喜びとできるか、

自分をいつも利益の中心に置かないか…など、

少し譲り損をして生きるといったこともその法則ですね。

人間はそういう純なる法則の中心軸に近づけば近づくほど成功と繁栄と安らぎが得られます。

反対に中心軸から離れた分、葛藤やトラブルや病気は争いがやってくるようです。

だから、中心軸に近づくほどいいわけですが、

その中心軸が何かということが、ほとんどの人には抽象的で見えない。

私はそれを噛み砕いて具体的に皆さんに伝えているわけです。


(「致知」4月号 鎌田恭幸さん、北川八郎さん、佐藤俊之さん対談より)