パートの星②
(そういった積み重ねによって、責任ある仕事を任されるようになっていったわけですね)
🔸そうですね。特に売り場作りに関しては、
本当にいろんな戦略を駆使しながらチャレンジさせてもらいました。
それに加えて、私が最も工夫したのは、いかにして付加価値をつけるか、ということでした。
(付加価値をつける)
同じような商品で300円のものと1000円のものと、同じところに置くだけでは、
お客様には、その違いが分からないじゃないですか。
やっぱり1000円のものは、1000円なりのものなんだって、ちゃんと伝えるべきなんです。
確かに手間はかかるけど、
その商品の魅力を引き出すような飾りつけとか、配置をすれば、
当然お客様の目に入る。
その時に「あっ、すごい」ってびっくりする。
そういったサプライズは絶対に必要だと思うんです。
ちょっと変わったこととしては、
いまはもう扱ってないんですけど、「幻の蜜林檎」っていうのを販売していたこともありました。
もともとは贈答品に使われていた商品で、
蜜がたっぷりで、すごくおいしい林檎なんですけど、
原価はあってないようなものでした。
生産者さんも、売ってくれるんだったらお任せますよっていう感じだったので、
私は敢えて、一個、980円という値段をつけたんです
(一個、980円!)
🔸普通、そんな値段のつけ方ってないと思うんですよ。
でも私は、それが付加価値になると思ったんですね。
他のスーパーさんを見学していて思ったのは、
何だか知らないけど高いものっていうだけで、
それなりに美味しいのかなとか、
何か普通のものとは違うんだろうなって期待感を持たせてくれるじゃないですか。
それに山梨って別荘が多くて都心のお客様も結構いらっしゃるので、
そういう方々が面白いなと思って買ってくださるかもしれないっていう思いもありました。
実際、最初の年には20個仕入れてみたところ、初日だけで2個売れたんです。
それから6、7年くらい販売していましたけど、
多い時には70個は仕入れていましたね。
これはあくまで一例ですけど、やっぱり売れると楽しいじゃないですか。
それが、じゃ今度はこんなことやってみようってことにも繋がりますよね。
(売れる楽しみが次の売り場づくりの原動力になると)
🔸そうですね。
そのうちに、だんだんエスカレートして、かなり突拍子もない売り場づくりもしてきましたけど、
常に心掛けてきたことがありました。
それは何かと言うと、
何が売れるかどうかは、お客様が判断することで、
売る側のほうが売れるか売れないかを勝手に決めつけないっていうことです。
例えば、マンゴーの売り場って少なくとも郡内のお店はどこも狭いんです。
そんなに売れる商品ではないと皆さん思っているんでしょうけど、
私は六尺の平台1本使って、全部マンゴーの売り場にしたことがあるんですよ。
国産マンゴーを中心に、アップルマンゴー、ロイヤルマンゴーに比較的安いフィリピンマンゴーなんかも並べた上で、
何が1番売りたいのかを自分で考えて売り場をつくっていく。
もし最初から売れないと思って売り場をつくっても売れないけど、
売ろうと思って売り場をつくれば、やっぱり売れるんですね。
(すべては思いから始まる)
🔸そうです。
それによそ様にない売り場をつくれば、
「城山店に行くと、何だかすごいぞ」
「980円の林檎があったり、すごいマンゴーの売り場もある」
ってことが、お客様にも自然と伝わっていく。
それが結果的に売り上げに繋がるので、売り場づくりが、ますます楽しくなる。
だからじっとしていても、どんどん新しいアイデアが閃くんです。
それをもとに、いろんなことにチャレンジしていきましたけど、
その1つひとつの積み重ねがあったからこそ、
果物だけで、一ヶ月の売り上げが2000万円を超えることも、できたんだと思います。
(つづく)
(「致知」9月号 勝俣千恵子さんより)
(そういった積み重ねによって、責任ある仕事を任されるようになっていったわけですね)
🔸そうですね。特に売り場作りに関しては、
本当にいろんな戦略を駆使しながらチャレンジさせてもらいました。
それに加えて、私が最も工夫したのは、いかにして付加価値をつけるか、ということでした。
(付加価値をつける)
同じような商品で300円のものと1000円のものと、同じところに置くだけでは、
お客様には、その違いが分からないじゃないですか。
やっぱり1000円のものは、1000円なりのものなんだって、ちゃんと伝えるべきなんです。
確かに手間はかかるけど、
その商品の魅力を引き出すような飾りつけとか、配置をすれば、
当然お客様の目に入る。
その時に「あっ、すごい」ってびっくりする。
そういったサプライズは絶対に必要だと思うんです。
ちょっと変わったこととしては、
いまはもう扱ってないんですけど、「幻の蜜林檎」っていうのを販売していたこともありました。
もともとは贈答品に使われていた商品で、
蜜がたっぷりで、すごくおいしい林檎なんですけど、
原価はあってないようなものでした。
生産者さんも、売ってくれるんだったらお任せますよっていう感じだったので、
私は敢えて、一個、980円という値段をつけたんです
(一個、980円!)
🔸普通、そんな値段のつけ方ってないと思うんですよ。
でも私は、それが付加価値になると思ったんですね。
他のスーパーさんを見学していて思ったのは、
何だか知らないけど高いものっていうだけで、
それなりに美味しいのかなとか、
何か普通のものとは違うんだろうなって期待感を持たせてくれるじゃないですか。
それに山梨って別荘が多くて都心のお客様も結構いらっしゃるので、
そういう方々が面白いなと思って買ってくださるかもしれないっていう思いもありました。
実際、最初の年には20個仕入れてみたところ、初日だけで2個売れたんです。
それから6、7年くらい販売していましたけど、
多い時には70個は仕入れていましたね。
これはあくまで一例ですけど、やっぱり売れると楽しいじゃないですか。
それが、じゃ今度はこんなことやってみようってことにも繋がりますよね。
(売れる楽しみが次の売り場づくりの原動力になると)
🔸そうですね。
そのうちに、だんだんエスカレートして、かなり突拍子もない売り場づくりもしてきましたけど、
常に心掛けてきたことがありました。
それは何かと言うと、
何が売れるかどうかは、お客様が判断することで、
売る側のほうが売れるか売れないかを勝手に決めつけないっていうことです。
例えば、マンゴーの売り場って少なくとも郡内のお店はどこも狭いんです。
そんなに売れる商品ではないと皆さん思っているんでしょうけど、
私は六尺の平台1本使って、全部マンゴーの売り場にしたことがあるんですよ。
国産マンゴーを中心に、アップルマンゴー、ロイヤルマンゴーに比較的安いフィリピンマンゴーなんかも並べた上で、
何が1番売りたいのかを自分で考えて売り場をつくっていく。
もし最初から売れないと思って売り場をつくっても売れないけど、
売ろうと思って売り場をつくれば、やっぱり売れるんですね。
(すべては思いから始まる)
🔸そうです。
それによそ様にない売り場をつくれば、
「城山店に行くと、何だかすごいぞ」
「980円の林檎があったり、すごいマンゴーの売り場もある」
ってことが、お客様にも自然と伝わっていく。
それが結果的に売り上げに繋がるので、売り場づくりが、ますます楽しくなる。
だからじっとしていても、どんどん新しいアイデアが閃くんです。
それをもとに、いろんなことにチャレンジしていきましたけど、
その1つひとつの積み重ねがあったからこそ、
果物だけで、一ヶ月の売り上げが2000万円を超えることも、できたんだと思います。
(つづく)
(「致知」9月号 勝俣千恵子さんより)