北千住「マタドール」の新ブランドは、まさかの牛骨オフ
北千住の人気店「牛骨らぁ麺 マタドール」のセカンドブランドで、同じく北千住で2013年から営業してきた「みそ味専門 マタドール」が、このたびリニューアルしたという。しかも牛骨を使わない一杯を提供しているとの事だ。その名も「柳麺マタドール」。店主・岩立伸之氏の修業元「柳麺ちゃぶ屋」を思わせる屋号である。
店内はカウンターのみで合わせて14席。麺メニューは「醤油らぁ麺」と「塩らぁ麺」の2種に加え、期間数量メニューも提供。この日は「冷やし味噌らぁ麺~白トリュフ風味仕立て~」で昼・夜で各10食限定とのこと。また、チャーシューごはん、鮭節とねぎ味噌のごはん、卵かけごはんといった飯モノも充実している。
今回は特製にあたる「贅沢醤油らぁ麺 極(1500円)」をオーダー。卓上には「柳麺マタドールの厳選食材」という一覧表があるが、着丼までの間にじっくり読むと、実に沢山の素材が名を連ねている。一瞬怯む1500円という価格の裏付けだ。待つこと5分。現れたのは、大判のチャーシューに覆われた一杯である。
薄濁りのスープは、例の一覧によると吉備黄金鶏の丸鶏とガラ、豚足、豚ゲンコツといった動物系出汁に、昆布、イタヤ貝、鮭節、鰆煮干、鯖節、干しエビ、スルメイカげそ、アゴ煮干しといった海産物や、干し椎茸軸、香味野菜なども加えているようだ。豚と鶏を柱に、多くの食材がしっかり共存。まずは、難しい事抜きに旨い!
何層もの旨味を重ねているので、スープが冷めていく過程で様々な旨味を楽しめる。そして香味脂に吉備黄金鶏のほか、子牛の腹脂=ケンネを使っている所にマタドールのDNAが。合わせる麺は三河屋製麺製の中細ストレート。しなやかでツルっとした食感が心地よい。大判のチャーシューは豚ロースとバラ肉が混在。
それぞれ肉の旨味を最大限に引き出した逸品だ。箸でホロホロ解れる柔らかさ。味玉には奥津軽産プレミアム卵を使用。ネットリとした黄身が甘く良い味に。ほか極太メンマ、九条ネギが乗る。スープが主役の、満足度の高い一杯であった。この出汁なら、塩らぁ麺の方が旨味がわかりやすいかもしれない。次回は塩だな。
<店舗データ>
【店名】 柳麺マタドール
【住所】 東京都足立区千住旭町43-13
【最寄】 JR常磐線「北千住駅」東口徒歩2分
★2023年7月30日をもって閉店
★みそ味専門マタドールと柳麺マタドールの店長を務めた酒井氏が独立し、跡地に居抜きで「らぁ麺屋のさかいさん」を創業