中高生のころは生意気にジャズを聴くことが多かったのですが、あの頃は歌謡曲の全盛期でした。あの頃流行した歌に今も忘れられないものが多いのは、単に記憶力が良かったためだけではないように思います。
最近、加藤登喜子さんのCDで、ひとり寝の子守歌や知床旅情を聴く機会があり、うまいなあと思ったりしたのですが、1ヶ月ぐらい前に、これも新聞で由紀さおりさんの”1968”というアルバムが、海外でヒットしているという記事を見て、iTunes Storeでダウンロードしました。このアルバムは、1968年頃にヒットした歌謡曲などをアメリカのピンクマルティーニというバンドをバックに、アレンジもほとんど変えずに日本語で歌ったもので、今聴いてもけっこういけます。私と同じような人は多いらしく、日本でも最近売れているようで、今日のTVでも由紀さおりさんのインタヴューなどをやっていました。
夜明けのスキャット、ブルーライトヨコハマ、いいじゃないの幸せならば、夕月といった1968年頃の歌謡曲のほか、ピータ・ポール&マリーのパフ、セルジオメンデスがヒットさせたマシュケナダなど、フォーク、ボサノバのヒット曲も含まれています。
ちなみに1968年のヒット曲を調べてみると他に、恋の季節(ピンキーとキラーズ)、今は幸せかい(佐川満男)、ゆうべの秘密(小川知子)、愛の奇跡(ヒデとロザンナ)、グッド・ナイト・ベイビー(ザ・キングストーン)、伊勢佐木町ブルース(青江三奈)、三百六十五歩のナーチ(水前寺清子)、好きになった人(都はるみ)、小さなスナック(パープルシャドウズ)、小さな日記(フォーセインツ)、花の首飾り(ザ・タイガース)、亜麻色の髪の乙女(ザ・ヴィレッジシンガーズ)、エメラルドの伝説(ザ・テンプターズ)、悲しくてやりきれない、青年は荒野をめざす(ザ・フォーク・クルセダーズ)、受験生ブルース(高石友也)、ケメ子の歌(ザ・ダーツ)
こうしてみると、この年は、フォークとグループサウンズのブームが始まった年でもあるのですね。