あまのはらふりさけみれば・・・・

北京で単身赴任生活2年、帰国後も中国ネタを書き綴ります。

「宮廷の諍い女」の真実

2013-11-22 05:05:09 | 日記
 こんな中国ドラマが少し本邦でも話題だったそうな。
 BSフジで9月末までやっていたようである。

 さて、10月には、2年ほど通った中国語教室で知り合ったお二人を
北京にお迎えした。

 2泊3日だったが、初日は夕刻着で、最終日はお昼出発と実質1日し
か観光の時間はなく、ゴールデンルートである南から北へ一直線の路を
ひたすら歩いた。
 かつての老舗が立ち並ぶ街並みを再現した前門大街から、かの天安門
広場、故宮と一直線に北上して、故宮を見下ろす人口の山(50Mほど)
景山公園へと朝から夕方まで時間を過ごした。

 この景山公園で故宮を見下ろしている途中、子供さんご夫婦(とはい
っても、もう60才前後)とおぼしき二人に両脇を抱えられるようにし
てこの小高い丘に登ってきたご高齢の女性に出会った。

 彼女は一人では満足に歩くことができない、それは一目瞭然である。
 それもそのはず、彼女は纏足を施されていたからである。

 甲が盛り上がって「く」の字になった15センチほどの足では体重を
ささえきれるはずもない。
 彼女が自由に歩けたのは何歳までだっただろうか。

 歩行の自由を失う代わりに、物質的には何不自由ないのない生活を
保障されていたはず、でもそんな生活はいつまで続いただろうか。
 清朝がすでに倒れた後に生まれたであろうから、豪商か軍閥の有力者
の庇護の下で育てられ、一時は寵愛を受けたかもしれないが、その後は
社会の変化、荒波の中で困難な生活を送っただろうことは想像に難くな
い。

 華やかなドラマの中では語られることはなかろうが、主人公クラス
の女性はおそらく、みな彼女と同じように纏足を施されていたはずであ
る。
 庇護があるうちはいいが、庇護者がいなくなったら過酷な運命が
待ち受けていたに違いない。

 そんなことを想いながら、諍い女たちの暮らした故宮の内宮を一望
したのであった。