りたいあまん

リタイア後どうしたら充実した人生を送れるか。日々模索しています。

老惨とは?

2018年07月04日 | 日記
老残という言葉はあるが老惨は辞書にはない。
著者が思いついた造語でしょう。
著者とはかの石原慎太郎です。
辞書によれば「老残」とは年をとってむなしく生き
ながらえること。とあります。
最近発表された彼の著作によると本人の身代わりとも
思われる或る作家の年齢は85歳である。
彼が一番興味のあるのは死ぬこと。
「五年前にあの脳梗塞をやって以来体が完全には
いう事を聞かなくなって今じゃ全身汗をかくような
スポーツも出来なくなってしまった。そんな自分が
忌々しくって自分を持て余している心境だよ。
だから多分もう目の前の俺の『死』についてばかり
興味があるのさ」というのである。
そして、この作家が今一番知りたいことは
「俺はどういう死に方をするんだろうね」という
ことです。
これは作家でなくても誰もが思うことです。
わたしも思っていますから。(笑)
さらには「来世というものが本当にあるのかね」
などという疑問をなげかけている。
これほどまでに名をなした大作家でも考えることは
案外我々凡人と変わらないものなんだな、と思いました。

                文学界七月号より
コメント (4)
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