近所に住む知人からおいしいりんごをいただいた。
寒い冬のりんごはおいしいく、貴重な果物だ。
お返しにというわけでもないが、食事に誘った。
行きつけの和食のお店だが日曜日で客が立て込んでいた。
店長が空いていた座敷の一席に案内してくれる。
ビール好きな友達にはジョッキの生中を頼み自分は車なので
ノンアルコールのビールを注文することにした。
会食の自粛が叫ばれている時節柄だが最低限の人数なので
よしとすべきなどと言いながら二人で乾杯をし、ささやかな
忘年会となった。
飲むほどに話が盛り上がり、それでなくても友達は声がでかく
静かに食事をしている客にはうるさかったかもしれない。
会話が一段落して、ふと横の壁を見ると張り紙がしてあり
「大きな声での会話は謹んでください」とあった。
なんだか自分たちのために用意されていた注意書きみたいだった。
それを見て二人で、頭をかきながらしまったという顔になって
しまったものである。