里山歩きをした。
枯れ木が多く、緑の葉をつけているものはまだ少ない。
藪椿(やぶつばき)がそちこちに咲いている。
殺風景ななかで赤い色は良く目立つ。
少し山に分け入って花とツボミをつけた枝を選んで
手で折ってみた。少しひねっただけで簡単に折れた。
帰り道に野生の水仙が群生しているのに出会う。
茎を長めにして三、四本手折る。切ったところから
水が流れてきて手が濡れる。
みずみずしいとはこのことか。
家に持って帰ると妻が「今、花を切らしているところ。
ちょうどよかった」と言ってすぐに活けてくれる。
赤い椿と白黄の水仙が一つどころに同居している。
季語でいうと春(椿)と冬(水仙)の合体だ。
ちょうど今ごろの気候のようでもある。
水仙を 手折るわが手を ぬらしけり
人住まぬ 古き家にも 椿満つ