秋になると空気が澄み食べ物がおいしく感じられる。
梨やぶどうや柿などの果物が豊富に出回り、栗などの木の実も
おいしそうである。
何も無い季節に比べると秋はごちそうがいっぱいなのである。
ごちそうという言葉から私が思い浮かべるのは「アラビアン
ナイト」という本の「アラジンと魔法のランプ」という物語
である。
アラジン少年は家が貧しくいつも腹を空かせていた。
ひょんなことから魔法のランプを手に入れたアラジンは
汚れたランプをきれいにしようと、こすっていると大魔神が現れる。
「何でも命令してください。ご主人様」という大魔神にアラジンは
びっくりしたが、腹が減っていたので「とりあえずごちそうを」
と命令すると、目の前にごちそうが並べられていた。
それは、" 柔らかい肉、新鮮なフルーツやナッツ、米やきび、
珍しいチーズ、香りのいい野菜、シャーベットにコーヒーと
ワイン"であった。
しかもそれらは貴重な金やシルバーのボウルやゴブレット(足付の
ガラスでできたグラス)に入れられていたのである。
現代でこそスーパーにでも行けば(お金さえあれば)いくらでも
手に入る食べ物だが、というか、millet( きび)など誰も食べないし
どこにも置いてないが、その時代には貴重な食べ物で大変珍し
かったのだ。
お腹が減ったときはアラジンになったつもりで物語のそういった
食べ物を目の前にしているどこかの国の王様になって、ふんぞり
かえっている自分を思い描くと楽しいのである。