りたいあまん

リタイア後どうしたら充実した人生を送れるか。日々模索しています。

桜がほほえむ佳き日に

2024年04月05日 | エッセー

その昔。花といえば桜にきまっていた。

平安時代のみやびとがこよなく愛した桜が、今、咲いている。

「桜がほほえむ」という表現がある。桜が咲きましたよ

という意味である。いや、ちゃんと辞書に載っています。

ほほえむとう言葉で思いだすのは平安の昔ではなく現代

のこと。

駐車場で時々会う彼女のことである。

先日も買い物に出かけようとして車のところへゆくと

見覚えのある車のそばに見覚えのある彼女が立っていた。

自分のところからは2~3メートルの距離がある。

自分よりはずっとずっと若い人である。

顔が合ったので無意識のうちに微笑みを送ってしまう。

だが、数秒間の間隔ののちにそのお返しが自分にも送られて

きたのである。

もし、「微笑み返し」という言葉あるならば、まさに

それである。

そのときは何も考えていなかったが、あとで何か声を

かければよかったかなと、後悔した。

桜がきれいに咲いている。桜が咲くという意味と同じ

に「桜がほほえむ」という言い方もある。

彼女のほほえみは自分のもとにしっかりと届いたのは

間違いない。

ただそれだけのことで、ほかには何もない。

今のところは。

 

 


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