チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

【追悼】秋山和慶氏~桐朋学園高校時代のホルンの思い出

2025-01-27 21:51:00 | 日本の音楽家

【2025年1月26日秋山和慶氏はご逝去されました】

1971年の週刊誌から30歳の秋山和慶氏(1941年生まれ)が東京交響楽団を指揮するようすです(撮影・竹原伸治氏)。



記事のよると「目下、アメリカ交響楽団に招かれて、客演指揮中。昨年1月、ニューヨーク・カーネギーホールでの指揮ぶりにホレたアメリカ交響楽団が再び招いたものだ。」

若い頃から評価が高かったんですね。



さて秋山氏による、ブラスバンドで頑張る学生へのアドバイス、励ましの言葉が吹奏楽雑誌『バンドピープル』創刊号(1980年4月号)に載っていました。

その中から、秋山氏のホルンとの出会いについて書かれた部分です。

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ボク自身は、指揮者になろうと、桐朋学園高校に入学したんですが、井口基成先生から「指揮をやりたいなら、ピアノもやらなくちゃダメだし、オーケストラの楽器も何かマスターしろ!」と言われ、「弦楽器はもういっぱいだからダメだぞ。おまえ、何やりたい?」って聞かれたんですね。

前から音が柔らかくて、縁の下の力持ち的存在で、中音域で豊かな表現力があるホルンにあこがれていたから、すぐに「ホルンやります」って言ったんです。そのとき手にしたのは日管のピストンのFシングル・ホルンで、放課後毎日毎日、N響と芸術家協会のスタジオで、もう死にものぐるいになってレッスンしました。それでも1ヵ月ほどたつと、どうにか2オクターブは出るようになったかなあ。そしたらすぐ、オーケストラの練習に入れられちゃって、またまた必死になって......。でも、そうしてオーケストラの一員、100分の1にメンバーとして一緒にやれたことは、指揮者になった今でもずいぶん役に立ってますね。

ですから、桐朋学園大学に進んでからも指揮を勉強しながらホルンも続けました。小沢征爾さんなどと替る替る棒を振りながら、みんなで懸命に吹いていたことなんかを思い出します。
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。。。青春の思い出ですね。秋山さんはホルン相当ウマいんでしょうね!



「ボク自身は音楽に終点はない、死ぬまでやっていかなくちゃならないと思っています。アマチュアとはいえ、1度は音楽にふれたことがあるなら、どうにかしてそれを一生続けてほしい。なにもプロになることばかりが道じゃないし、ボクは指揮していてアマチュアもプロもなんら変わるところがないと感じます。『音楽する』意味ではなんでも全部同じなのです。」


バレエ振付家・佐多達枝(1954年)

2025-01-02 16:03:40 | バレエ

アサヒグラフ1954年6月2日号からバレエの佐多達枝さんです。



お母様は著名な作家・佐多稲子(1904-1998)さんなんですね。 「母の娘だといわれるとシャクだワ」。。。すみません

実は『芸能界七光り告知板』という記事からなのですが、七光りどころか佐多達枝さんは今の日本を代表するバレエ振付家の一人。以前はバレリーナとして第一線で活躍されていました。

以下、「現代日本の文学25」(学研、1971年)より


↑ お母様のひざにのる佐多達枝さん。

 


↑ 一番右。お母さん、ご兄さま、お姉さまと

 


↑ 新日本文学会の北多摩班ピクニック。中央が佐多さん。モテそう



。。。今年(2018年)6月16日に東京文化会館で佐多さんのカルミナ・ブラーナ(サタミナ)が再演されるんですね。

ただでさえ感動で観衆を唖然とさせたという前回の舞台がさらにシェイプアップされていると思われ。。絶対見に行かねば!

 

【佐多達枝先生は令和6年12月27日に永眠されたそうです。ご冥福をお祈りいたします】


シューマンの霊の願いにより発見されたヴァイオリン協奏曲

2024-11-06 15:04:19 | メモ

大作曲家の降霊術はローズマリー・ブラウンだけではありませんでした。



以下、『芸術生活』1969年6月号より(一部変更してあります)。

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ことの起こりは英国の作家、ジョゼフ・マクロード(Joseph MacLeod, 1903-1984)著の伝記『ダラーニ姉妹(The Sisters d'Aranyi)』が1969年に出版され、この中でシューマンのヴァイオリン協奏曲が死後世に出た不思議な物語を明らかにしたのが始まり。

シューマンは1856年に没したが、その3年前の1853年秋、ハンガリーのダラーニ姉妹【姉妹ともヴァイオリニスト】の大伯父に当たるヨーゼフ・ヨアヒム(Joseph Joachim, 1831-1907)がベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を名演奏したのに感激して自分もヴァイオリン協奏曲を作曲した。しかし生前演奏される機会がなく、死後も関係者がその終楽章に難色を示したため、結局、彼の作品集には収められずに永久に闇に葬られる羽目になった。

1907年ヨアヒムが死んだとき、姉のアディラ(Adila d'Aranyi, 1889-1962)も妹のイェリー(Jelly d'Aranyi, 1893-1966)もこうした事情は少しも知らなかった。

ところが1933年、イェリーがコップで霊媒のお告げをいただくという、当時流行したゲームをしているうち、突然思いもよらぬシューマンからの伝言が届いたもの。自分のヴァイオリン協奏曲があるから、それを死蔵せず公開してほしい、とシューマンの霊はイェリーのコップを動かして、つぎつぎテーブルの上のアルファベット文字を示してハンガリー語まじりで自分の思いを訴えた。

シューマンのヴァイオリン協奏曲の楽譜は1937年にヨアヒムの蔵書から見つかり、同年初演された。

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。。。コックリさんみたいなもんだったんでしょうか。

Wikipediaの記述「アディラ・ファキーリは妹イェリー・ダラーニと同じく、心霊主義や交霊術に興味を持っていた。1933年3月にロンドンで交霊術に参加した際、ローベルト・シューマンの亡霊が現れ、『シューマン本人やヨアヒムの肉声』によって《ヴァイオリン協奏曲》が二人の姉妹に託されたという」とかなり違います。

この件、もう少し詳しく調べてみたくなりました。


NHKスタジオで演奏した来日演奏家(1936~37年)

2024-08-20 13:13:00 | 来日した演奏家

日本放送協会『ラヂオ年鑑』昭和11年及び12年版からNHKラジオのスタジオで演奏した際の来日演奏家の画像です。豪華な顔ぶれ。

 

1936年5月13日
エマーヌエル・フォイアーマン(Emanuel Feuermann, 1902-1942)

 

1936年5月31日
ジャック・ティボー(Jacques Thibaud, 1880-1953)

 

1936年10月7日
グレゴール・ピアティゴルスキー(Gregor Piatigorsky, 1903-1976)

 

1937年1月29日
ミッシャ・エルマン(Mischa Elman, 1891-1967)

↑ ピアニストは誰だか調査中

 

【追加: 海外音楽家以外】

1936年1月3日
諏訪根自子(1920-2012)

 

1936年5月20日
ジャン・コクトー (Jean Cocteau, 1889-1963)
堀口大學(1892-1981)と

 

1937年2月11日
映画『新しき土』の監督アーノルト・ファンク(Arnold Fanck, 1889-1974)と原節子(1920-2015)

 

情報を追加修正していきます。


NHK交響楽団・歴代コンサートマスター

2024-03-03 22:28:00 | メモ

『NHK交響楽団50年史』(昭和52年日本放送協会発行)よりN響(新響・日響)の歴代コンサートマスターです(敬称略。第一コンサートマスター、コンサートマスター、ゲストコンサートマスターの区別なし。ゲストはすべてを網羅していません)。

1. 前田璣(まえだ たまき、1899-1979) 在任期間:1926年~1933年9月




2. 加藤嘉一(かとう かいち、1898-1988) 1926年~1931年2月




3. 日比野愛次(1906-1998) 1933年5月~1952年8月


4.Konrad Liebrecht (1898-1956) 1934年9月~1935年6月


5.黒柳守綱(1908-1983、黒柳徹子さんの父)1937年1月~1942年2月


6. 鰐淵賢舟(1910-1986、鰐淵晴子さんの父) 1942年11月~1944年




7. 本橋晧(もとはしあきら、1910-1985) 1945年~1953年、1956年11月~1959年3月



8. 岩淵龍太郎(1928-2016)1953年9月~1956年3月




9. Paul Kling(1929-2005) 1954年12月~1955年12月




10. 外山滋(1935-2014) 1956年3月~11月




11. 坂本玉明(1932年生まれ) 1956年11月~1970年10月




12. 海野義雄(1936年生まれ) 1959年4月~1970年4月




13. Wilhelm Hübner(1915-2004) 1963年6月~1964年6月




14. 堀伝(ほり ただし、1935年生まれ) 1964年2月~1991年




15.田中千香士(たなか ちかし、1939-2009、ピアニスト・田中希代子さんの弟) 1966年4月~1979年



16. 川上久雄(1934年生まれ) 1970年10月~1984年




17.徳永二男(とくなが つぎお、1946年生まれ) 1976年7月~1994年

 

18. 堀正文(ほり まさふみ、1949年生まれ) 1979年9月~2015年2月

 

19. 山口裕之(1953年生まれ) 1984年~2013年

 

20. 篠崎史紀(しのざき ふみのり、1963年生まれ )1997年4月~2023年1月、2023年4月~2025年3月 特別コンサートマスター

(緒方英子著『オーケストラ楽器おもしろ雑学事典』より)

 

21. 伊藤亮太郎(1973年生まれ)2015年4月~2024年3月

 

22. Rainer Küchl(ライナー・キュッヒル、1950年生まれ。元ウィーン・フィルのコンマス)2017年4月~ ゲスト

 

23.白井圭(1983年生まれ)2020年4月~2023年3月 ゲスト

(緑風舎コンサートプログラムより)

 

24.郷古 廉(ごうこ すなお、1993年生まれ)2023年4月~ (ゲスト、2024年4月より第1コンサートマスター)

 

25. 川崎洋介(1977年生まれ)2024年4月~ゲスト

 

情報を修正・追加していきます。