1982年に来日したフルーティスト、ジェームズ・ゴールウェイ(Sir James Galway, 1939年生まれ)が新宿厚生年金ホールでヴィヴァルディ「四季」(フルートとオーケストラのための編曲)を吹き振りしたときの模様です。オーケストラは日本フィル。
↑ 「冬」を演奏中、異常を感じたゴールウェイ。
吹くべき箇所を飛ばして次に進んでしまったらしいのです。日フィルのメンバーのある者は指揮者に合わせ、ある者は譜面どおりに演奏してズレてきてしまった。。
↑ 大声で「ストーップ!」。 会場はシーンとなったあと、ザワザワザワ。。。
↑ 「やっちまった~!」の表情。その後、「冬」を最初から演奏しなおした。
このときのコンサートマスターの大河内弘氏は「指揮を止めるとは思わなかった。前代未聞のことです。大体、大所の指揮者だったら、こんなことするのはプロとしてプライドが許さない。聴衆にそれと分からせずうまくゴマかしてしまうものです。」と証言していますが、この頃のゴールウェイ氏はまだ指揮者としてはデビューしたばかりで大河内氏によると「テクニック的にはまだシロート」だったようです。
演奏終了後、ゴールウェイ氏は楽団員に向かって「集中力がなくなってしまって、ごめんなさい」と謝ったそうです。
。。。誤魔化すより、よっぽど正直で好感が持てますね!
(フォーカス誌1982年10月8日号より)