食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

岩田守弘

2009-10-16 09:47:51 | 日記
 「誰 ?」


 熊川哲也に黄色い声を上げる女史達も、岩田守弘について、詳述できる人は、粗方、少ないと思う。



 日本、いやロシアが世界に誇るバレエダンサー。



 ロシア・ボリショイバレエ団において、史上初、外国人ソリストとなった方。



 現在も、彼以外、全てロシア人。



 ボリショイ入団後、永きに渡り芽が出なかった。



 初めて与えられた役が「サル」。



 彼の偽わざる心境を察すると、正直(なんでサルなんだ) だったと思う。


 しかし、へたり込んだりはしなかった。「よし、世界一のサルを演じて見せよう」



 そして、折しもみごとな猿を演じきり、バレエにシビアなロシアっ子は、背丈166cm の東洋人に最大級の賛辞を与える。



 以後、どんな役でも断らずに演じ続けてきた。


 彼の身長から、華やぎのある王子役を躍らせてもらうことはない。


 しかし、「道化師」 「悪魔」 などの役では、他に比類なき存在感を示す。



 とぶ、跳ねる、回る、この技術においてはボリショイの中でもトップレベルだ。



 
  僕は、クラシックバレエのイロハもわからない。



 しかし直感的に、熊川のフェラーリで高速を走り抜けていくイメージのバレエ、長嶋茂雄的華やぎのあるバレエよりも、 岩田守弘のジープで浅間山の鬼押出しを這っていくような、故土井二塁手のように地味で堅実な踊りに、近い距離感覚を得られるような気がする。




  39才、岩田守弘、 盛りを過ぎた肉体で、今日も道化師を踊っている。