食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

チベット

2009-11-09 08:11:46 | 日記
 チベット


 正式な国名    中華人民共和国



 世界の屋根と称される、チベット高原の中心に位置する、ラサ。


 標高は、富士山の頂上とほぼ同じ。


 飛行機のタラップを降りると、ちょっとした息苦しさの後、遠い昔に感じていた記憶の残像が蘇えってくる。


 鮮麗な空気と、空の青さが、寺院の神々しさを一層引き立たせる。


 この自治区は、ほのかな寂しさと緊張の色合いを帯びながら現代史の負の部分を背負い、今日まで歩み続けている。



 8世紀ごろ、インドから伝わった仏教が、チベット土着の原始宗教と結びつき、現在のチベット仏教が形成された。


 チベット仏教で特徴的なのが、「転生」の考え方。  すべての生き物は前世での行いを背負いつつ、輪廻の輪の中を永遠に生まれ変わり、それを繰り返す。


 それは、ただ、ひたすら「苦しみ」なのである。



 この美しく、清らかな思想を持った国に、今から60 年前、中国共産党の軍隊が突如侵入し、数十万におよぶチベット人を虐殺した。


 1960 年の後半には、あの悪しき、文化大革命により、寺院をはじめとする仏教関係物が、ことごとく破壊されてしまう。


 市井の一常識人として、一日も早くチベット独立問題が解決されることを切に願う。。。。。


 
 さて、食べ物に関して贅沢を言っていたらチベットでは生きていけない。


 主食は麦からつくる「ツァンパ」。   肉は羊が主。


 バター茶を一日50杯は飲む。   地域差はあるが野菜・果物は市場にあまり出回らない。



 同じ時間軸を感じとれる、心の故郷チベットに、いつの日か訪れてみたい。