食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

大勝軒

2009-11-24 08:57:24 | 日記
   山岸一雄



  ラーメン界の神様。 東池袋大勝軒の初代店長。


 ラーメンの鬼「佐野氏」が、唯一、畏敬の念を持って接している人物。



   大勝軒



 山岸氏の名前が一人歩きしているためか、大勝軒は、彼が創ったと勘違いされてる方が、結構いらっしゃる。


 東京ラーメンの草分け的存在である丸長グループで修業を終えた山岸氏は、そこから、のれん分けを許され、東池袋の地に「大勝軒」をかまえた。

  昭和三十年代後半のことである。



 現在、大勝軒は3つのグループ分けからなる。


 1つ   東池袋の大勝軒


 2つ   永福町の大勝軒


 3つ   人形町の大勝軒


  都内に幾多ある「大勝軒」は源流をたどると、この3つのどれかに行きつく。



  { 東池袋大勝軒 }



 現在流行りのつけ麺は、「もりそば」の名で、山岸氏が考案した逸品だ。


  しかし、池袋都心開発の立ち退きにより、足を踏み入れると、ぎしぎしときしむ感のする「おんぼろラーメン屋」は跡形もなく消えてしまった。


  代わって現在、明治通り沿い、サンシャインの下、ガラス張りで小奇麗にリニューアルした「大勝軒」が、新店長の手で50年間変わらぬ味を提供している。


 店に赴くと、隅にちょこんと佇んでいる山岸氏がサインや記念撮影に快く応じてくれるそうである。


 思うに、できることなら山岸氏は最後の最後まで現役でいらして欲しかった。 竹ざるを握りしめたまま、厨房で討ち死にするような、生粋のラーメン職人でいて欲しかった。



  さて、、、

 極東軍事裁判の舞台である巣鴨プリズン跡地で、今、自分がラーメンをすすっていることを関知している客は、おそらく皆無であろう