食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

江知勝

2009-11-13 09:52:17 | 日記
 ハレの日


 おもてなしをしたい人へのおもてなしに、使いたいお店がある。


 イタリアン  フレンチ   中華   寿司   天ぷら



 東京湯島に「江知勝」という、すきやき専門店がある。


 ちょうど1年前、同級生の結婚お祝いに、ここを使わせていただいた。


 上野駅から、タクシーでワンメーター。 創業から140年。 多くの文化人、著名人に愛されてきた「すきやき」の名店は、喧騒が支配する春日通り沿い、周囲から置き忘れられた江戸情緒の中に、ひっそりと佇んでいた。


 仲居さん、番頭さんが出迎えにいらした時、思わず、我々の背筋がピンと伸びた



 全室個室    料理はすべて仲居さんが手際よく切り盛りしてくれる。



 僕は、この日本情緒の中に身をおきたくて、運ばれてくる料理には箸をつけず、しばしの間、襖障子越しの庭園に視線を泳がしていた。



 前菜(お刺身、 煮付け等の小料理)、  メインのすき焼き(大盛り)        
 ご飯(卵かけ)   デザート(白玉、 メロン)



    これで、一人、1万円のコース。。。。。



  もちろん、この歴史が降り積もった重厚な風情も入っている。



 老舗の料理に味の如何は、あまり問われない。 客は、その店が送ってきた長い時間の残滓を嗅ぎに行くのだから。



 「江知勝」  日本で初めて、合コンが行われたお店としても有名。

 男性のメンバーに川端康成が、 女性のメンバーに林芙美子(放浪記の作者)

 が入っている。



 残念なことが一つあった。


 お祝いのシャンパンを開けるやいなや、運んでくる際、仲居さんが揺らしたためであろう、  中身が天井目がけてシュワー、、、、、


 彼女は謝るどころか、逆切れされ、一人で身勝手に腹を立てられていた。


   お祝いにハプニングはつきものか、、、、、笑


 
  「江知勝」  記念日に是非、訪れていただきたい名店だ。


 さて「すきやき」の語源、、、、、  すき、くわ、のすきの上で昔、猟で得た鳥獣を焼いて食べたことに由来する。