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テレビっ子のひとり突っ込み

『龍珠伝 ラスト・プリンセス』感想・概要紹介①

2022-07-03 23:59:04 | 中国ドラマ


2017年 中国

◆おススメ度
★★★★☆

◆キャスト
李易歓(ヒロイン):ヤン・ズー
龍三(康熙帝):チン・ジュンジエ
雪傾城/舒婉心:シュー・チャン
朱慈煊:マオ・ズージュン
葉黙声:ハン・チョンユー
呉応麒:リウ・シュエイー(劉学義)
李嗣興:アレン・レン
ソンゴトゥ:ルー・シンユー(盧星宇)


◆感想・概要紹介

清の康熙帝(清朝)の時代に、明の残党が明復興を目指して画策するっていうお話です。

(康熙帝は清朝の第四代皇帝。「若曦」や「宮廷の茗薇」に出てくる皇子たちの父親です。)


全体的なストーリーは、その時代、こんなこともあったかも?っていう架空のお話(記録としては些細なこととして残って
ないだけでありえなくもない)なんですが、序盤の導入部の明の滅亡部分とか全体的な設定自体は史実になぞらえている部分
もあって、清朝が樹立してもう3代目の皇帝の時代になっても明との争いがまだ続いてたんだなーって、(「瓔珞」でもちょっと
だけそんなん出てきてた気もするけど)そんなストーリーと関係ないとこでちょっと驚いた。徳川幕府がもう始まってるのに、
豊臣政権と大阪夏の陣とかやってたみたいな感じ?

そもそも、「宮廷の茗薇」観て「瓔珞(エイラク)」を思い出して、清の時代にまた興味がわいて「若曦」に再チャレンジ
しようと思ったんだけどなぜかおススメに出てきたこのドラマがちょっと気になって見てみたのがきっかけ。

今まで目には入ってたけど無視してたのか、全く意識してなかったヤン・ズー主演のドラマ。
正直、ヤン・ズーの代表作として「霜花の姫」はよく紹介されるけど、このドラマがフィーチャーされてるの見たことなかった
ので、きっとB級系か駄作系のどっちかだと思って期待しないで見てみた。

男主演のチン・ジュンジエはリメイク版の「泡沫の夏」であんまり好きじゃなかった記憶喪失の主人公やってた人であんまり
好きじゃなかったし、そもそも、全62話もそこまで興味のない作品に時間かけられる気がしなかったのでどうせ何話かでまた
挫折するかなーって思いながら見たんですが、意外にも面白かった。
(ただ、全体通して1.2~1.4倍速でみちゃいました。そんなに違和感はなかったですし、そんなに早口な演者さんもいなかった
しセリフもすごく長いものがなかったからか、字幕読むのも大変ではなかったです。)


私が面白いと感じたポイントをいくつか紹介。

第1話は、ストーリーの時代背景の紹介のために清朝側と明朝側の争い場面と、滅びかけた国の皇帝に子供が生まれる場面と
その子供が女児だったために、同じ日に生まれた誰かの男児とこっそり入れ替えられる場面。

最初は登場人物のおじさんたちの顔が全員同じに見えて、(そもそも辮髪という名のハゲのオッサンだし)何がなんだか分から
ないんだけど、後でちょっとずつ理解できます。なので、挫折しそうになりますが、がんばって先へ。
(面白いポイントといいつつ、最初っから挫折ポイントでしたが・・・)

そして、ここで唯一見分けられるのが、晋王の息子の李嗣興役のアレン・レン。ストーリー後半で再登場したりするのかなー
って思ってたけど、結局ここだけ。アレン・レン主演の「麗王別姫~花散る永遠の愛~」に弟役でチン・ジュンジエ出てるし、
「天命~白蛇の伝説~」でもヤン・ズーがヒロインだし、その3作品に2番手役で登場してるマオ・ズージュン、そんな交流
もあって友情出演したんだろうか・・・。
(あ、ソンゴトゥ役のルー・シンユーも、傾城役のシュー・チャンに至ってはチン・ジュンジエの王妃役で「麗王別姫」にも
出てるからけっこうキャスト被ってますね。)


ハナシが脱線しましたが、面白ポイント。

その1 ヒロインと皇帝のお互い身分を隠しての偶然の出会い

まー、ありきたりではありますが、明朝の最後の皇帝の娘、李易歓(ヤン・ズー)がおてんば過ぎて、明朝復興を目指す仲間
たちのいる谷を脱走して、一人都にやって来るんですがその時にお忍びで街に出ていた清朝の皇帝と出会い、仲良くなっちゃう
っていうね。

でも、そこですぐに恋に落ちるわけではなく、偶然にも3度目の出会いがあって、その時に男装してる李易歓と龍三と名乗る
皇帝とで義兄弟の契りを交わすっていう。

李易歓の中ではその約束がけっこう優先度高めで、その後龍三に危機が訪れるたびに自分が傷つくことを顧みずに助けてあげ
たりします。そんなことが何度もあって、龍三はどんどん易歓に惹かれていっちゃいます。


その2 ヒロインが不真面目

ヒロインの易歓は、明朝復興を目指す集団の隠れ谷に集まった人々とともに、子供の頃から特殊な訓練を受けるんですが、
そんなストイックな集団に於いて、易歓は皇女らしからぬサボリ癖の持ち主。訓練や勉強が嫌で、いつも仮病を装ってどうに
かして訓練をサボろうとします。
けれど、正義感と真偽を見極める目を持ったヒロイン易歓は、もともと明の復興っていう一種の洗脳にも似た思想を植え付け
られている他の師兄姉たちと違って、その信念にちょっと懐疑的だったり、その使命にもそこまで忠実じゃなかったりと、
当時の状況を考えるとありえないような奔放さを持っています。

そんな彼女は、ひょんなことから後宮入りし、知らず弟分である龍三の宮女となるのですが・・・。

いや、ほんと、今までにない宮廷ドラマ。(絶対こんなのありえないし、こんなヒロイン他のドラマだったら秒で死罪になるか、
激怒した皇帝か他の誰かに殺されてるかだろうっていうね・・・。)


その3 皇帝の側近たちが事なかれ主義

これまでの、何かあったら足を引っ張り合い、隙あらば陰謀を巡らせて敵対勢力を罠にはめて追い落とそうとする宮廷系
ドラマが多い中、このドラマは珍しくそれがほぼない。

皇帝の側近は、だいたいが誰かしらの密偵だったり、宮廷の別の権力者とつながってたりして情報を流したりしてるんだ
けど、意外とみんな保守派で普段は「見ない、聞かない(そうすれば何かとばっちりを受けることもない)」ていう原則を
守って、余計な発言はしないよう、なるべく自分の状況も現状維持したい、って感じで脅されたり高圧的に発言を促され
たりしない限りは誰かを怪しんで告発したりすることもしません。(いつもはねー、悪女役の貴妃の侍女や、ヒロインの
友人とか、余計なことを囁く人が多くてイライラするんだけどねー。)

そんな風潮が、うまいこと皇宮に紛れ込んだヒロインたち明珠谷の仲間が危機を逃れる一助となってたりします。


その4 明珠谷に潜むスパイ探しゲーム

明朝再建を目指す者たちの隠れ里で、ヒロインたちが育った明珠谷の幹部ともいえる精鋭たちの中に、清朝の奸臣オボイ
と明を裏切り明朝が滅ぶきっかけとなったもと明の臣で清では平西王とされひそかに周の復興を企む呉三桂の密偵が潜んで
いることが分かり、そこから急にライアー・ゲーム的な?貴志祐介の小説でいうと「クリムゾンの迷宮」的なスパイ探し
ゲーム的な展開を帯びてきて、なんかそこもちょっと斬新。

これまでは、皇帝やその頭の切れる側近的な存在の人が天才的な頭脳戦でそういったスパイをあぶりだしたり、正体を
見破ったりするっていうのはよくあったけど、みんなで話し合って誰が自分たちの中で裏切り者か、って探そうとする中国の
宮廷ドラマってかつてなかったような・・・。


そんなこんなで、けっこう色々設定も展開もありえないことが多かったけど、全体的には思ったよりもちゃんと話が作り
こまれていて面白かったです。(ただ、ヒロイン易歓の何でもアリな振る舞いを受け入れられないって人にはちょっと苦痛
かも?)


ラストはちょっと「え?なんで!?」っていう衝撃的な展開でしたが、基本史実に従って作ってるっぽい作品だったので、
歴史を曲げないためにはそういうラストが必要だったのかー、って無理やり納得せざるを得ない感じではありましたが・・・。


ちょっと長くなったので、あらすじ的なストーリー紹介はまた別途。



ちなみに、U-NEXTでこの作品を開くと扉絵的な画像として出てくるこのシーン。

最終的に、こういう感じになるんだろうと期待させて、めっちゃ焦らされます。(なかなかこのシーンが出てこない・・・。)







コメント (2)
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