BSプレミアム映画。エリック・ロメール監督作品を2本観ました。
まずは「緑の光線」1986年 ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞
夏のバカンスはパリに暮らすフランス人にとっては特別なもの。主人公のデルフィーヌ(マリー・リヴィエール)も友人とギリシャ旅行のはずが突然キャンセルされ怒り心頭。恋人とは2年前に別れたきり。家族や友人からバカンスに誘われますが、気が進まない。ついに、友人から誘われてシェルブールの家族たちと過ごすことになりましたが・・・
ああ言えばこう言う、頑固な彼女の性格には皆引き気味。ここでも議論を交わす場面があります。いかにもフランスらしい。自己主張が強い割には孤独に耐えかねている様子。自分には幸せは来ないのか、涙がこぼれてシクシク泣く彼女。
ジュール・ヴェルヌの小説「緑の光線」にまつわるお話をとある場所で耳にします。太陽が沈む最後の光が光の屈折のせいで緑に見えるというもの。そしてその緑の光が見えたものは自分の心と相手の心がはっきりとわかるという。果たして彼女に幸せは訪れるのでしょうか。この映画のタイトルの意味が最後でつながります。
ドキュメンタリータッチだなと思ったら、議論のシーンは台本なしのアドリブらしいです。今回2度目の鑑賞ですが私は好きです。
お次は「木と市長と文化会館~または7つの偶然」1992年
パリ郊外のヴァンデ県の市長は村に文化会館を建設しようと目論んでいるが、環境保護派の小学校の校長から猛反対されている。市長の小説家の恋人は都会派だが、田舎の自然や景色を破壊することには反対だ。果たして文化会館建設の行方は・・・
校長の10歳の娘が市長とベンチに腰かけながら議論を交わすシーンが微笑ましくて好き。「遊べる公園が欲しい」という素朴な訴えに市長の心は・・・
ジャーナリスト役の女性が村の人々にインタビューするシーンは台本なしで彼女に任せたそうです。「緑の光線」の時もそうでしたが、自然で生き生きとした感じを醸し出すロメール流の手法なんですね。
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