ダンスシーンは数々あれど、これほど胸がときめいた映画は初めてかも・・・
「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」(この副題はいらないと思う)アメリカ、1992年公開
アル・パチーノ主演、クリス・オドネル、フィリップ・シーモア・ホフマン、ガブリエル・アンウォー他
平たく言えば、盲目の頑固な退役軍人が心優しき貧乏苦学生と心を通わすというヒューマンドラマ。
今回2度目の鑑賞でしたが、今現在の私の心境にあってたようで素直に心に響きました。
A・パチーノは様々な役を熱演してきましたが、今回は盲目の演技に挑戦。
全編通して全く瞬きをしなかったという信じられない荒技を披露、見事な役者魂に脱帽です。
そして私が一番好きなシーン、G・アンウォーとタンゴを踊るシーンです。
中佐(パチーノ)にダンスを申し込まれたG・アンウォーは最初躊躇します。
「ちょっと怖いわ・・・」
「何が?」
「間違えるんじゃないかって」
「人生と違ってタンゴに失敗なんてないんだ。もし間違えて足が絡まっても踊り続ければいい」
「踊るかい?」
「ええ」
彼女の手をとり、チャーリー(C・オドネル)にフロアーの位置、大きさなどの説明を少しさせた後
ゆっくりとフロアーに進むと優しく彼女を抱き寄せ踊り始めました。
曲はあの名曲「Por una caveza ポル ウナ カベーサ」
背中に回した彼の微妙な手の置き方が心憎い。彼は盲目なのです。その演技を交えながらも、
不安な彼女の気持ちをほぐす様に優しくリードしていくパチーノ。
ぴったりと身体を寄せ合って踊るタンゴは本来艶めかしいものですが、この二人に関しては全くいやらしくない。
むしろパチーノは暖かい眼差しで彼女を娘のように優しく包んでいるように見えました。
パチーノに寄り添いながら恥じらうようなアンウォーの笑顔もとてもチャーミングで好感が持てました。
時折見せる二人の笑顔がほんとに楽しそうでこちらまで幸せな気分になりました。
昨年の「午前10時の映画祭」で上映されたんですが、完全にスルーしていた私はバカでした。
映画館であのダンスシーンを観てみたかったな・・・
アカデミー賞7度目のノミネートにして初のオスカー(主演男優賞)を受賞しました。
パチーノのダンスシーンで思い出すのがやはり「ゴッドファーザー」
シチリアで一目ぼれして思わずプロポーズ。結婚式で踊る彼女とのダンスシーンは初々しくまた切ないものでした。
「ゴッドファーザーPARTⅢ」で娘のソフィア・コッポラと踊るシーンはPARTⅠでマーロン・ブランドが娘のタリア・シャイアと踊るシーンと重なり合って胸が熱くなりました。
女性が付けている香水を言い当てる場面も粋なセリフを交えながらの素敵なシーンの一つです。
ご興味のおありの方はぜひ一度ご覧くださいませ。
(写真はすべてネットよりお借り致しました)
映画の中のダンスシーンに、
心を掴まれますね。
夢の香りは、二度ほど観ました。
初々しいクリス・オドネル、
今やCSIロスアンゼルス?では、
不精髭のたくましい男性になっていますね。
この映画、昔観た時にはさほど感動しなかったんですよ。
ダンスシーンの記憶も消えてました。
昔はタンゴよりワルツのほうが優雅で良いなと思ってたんですが、
情熱的なタンゴに魅了されてしまいました。
C・オドネルは随分イメージが変わりましたね。
G・アンウォーも「バーン・ノーティス」では過激な女性役で活躍していましたね。