退職女のアメリカ便り

オーストラリアンシェパード、ジュンタのマミーのアメリカ、セントルイス生活

#337: 犬の話

2014-08-16 23:18:46 | アメリカ便り
只今空が割れるように雷が鳴っています。
雷が大嫌いなハブは、私の足元にうずくまっています。

今日はスピリットとサチの続きです。
スピリットは本当に母性本能の発達した、自我のない犬でした。
主人曰く、“性格に特徴がない犬だ”。
それぐらい、もの静かな犬でした。
そして70パウンドと、オーストラリアンシェパードの規格には当てはまらない大きな犬でした。
もらってきたときは48パウンドだったのに。
でもスピリットは余り体が丈夫ではありませんでした。
しばしば膀胱炎と奇病の関節炎を患い、そのたびに病院にかかりました。
当時、犬を専門医に連れて行くなんて夢にも思わなかったので、近所の獣医で済ませていました。
だから、ハブちゃんみたいに1回500ドル600ドルなんてことはなかったのですが。
9歳になったとき、歯茎に小さな腫れ物ができ、いつもの獣医に連れて行ったら手術でとるようにと言われました。
別の日に、またスピリットを獣医さんのところに連れて行き、手術をしてもらいました。
腫れ物の生検結果は残念なことに良くなく、サルコーマという悪性腫瘍で、また腫瘍が出てくると言われました。
9ヶ月ぐらいしかもたないとも言われました。
でも、スピリットは9ヶ月より長く、その後3回も転移腫瘍除去をしながら、1年半生き伸びてくれました。
最後のほうは食事も余りとらなくなったので、ひき肉をドッグフードと混ぜて食べさせたり、それがだめになると、ステーキになったりと人間より良いものを食べるようになりました。
腫瘍が肺のほうにも転移をしたようで、呼吸がだんだん苦しそうになってきた為、獣医で安楽死をしてもらうことに決めました。
その日、スピリットも何が起きるかわかっているようで、悲しそうな目をしてました。
ご苦労さん、スピリット。
今も、灰となって我が家にいます。

セントルイスで起きている、黒人の抗議デモいまだに続いています。
このようなことで、セントルイスが世界的ニュースで知られるとは。
セントルイスの黒人問題は根深いものです。
黒人が住む場所、白人が住む場所と黙認で決められている以上、お互いは絶対に相容れないと思います。
相容れられる黒人と言うのは、教育レベルが高く、ちゃんとした仕事に就いて、ある程度地位も金もある人達だけでしょう。
昔、私の勤めていた研究所(700人)と言うのは黒人の研究員が一人しかいませんでした。
別に、黒人差別ではなく、研究所に勤めることができるだけの教育レベルをもった黒人がいないと言う理由からです。
それでも、国から黒人を雇うように通達がきているため、一時期レベルを下げてでも良いから黒人を雇おう、なんてばかげた方針も出ました。
結局は現実化しませんでしたが。

今回の事件は、この根深い人種問題が生んだ不幸な出来事です。
白人警官の横暴さもアメリカ国内では、昔から問題になっています。
そして、その問題になった町ファーガソンの警察署長が、過剰な権力行使をしたためより問題を大きくしました。

アメリカの人種問題は、これからもずーと続くでしょう。

ハブグレジュンタのマミー