退職女のアメリカ便り

オーストラリアンシェパード、ジュンタのマミーのアメリカ、セントルイス生活

#741: 謝るということ。

2016-09-12 20:33:44 | アメリカ便り
私がこの40年ほど住んでいるアメリカという国は、“何があっても謝るな”というのがまかり通っているところです。
車事故を起こして、自分が悪いのが明らかなときでもとにかく謝ってはだめ。
せいぜい“大丈夫かいな?”と聞いてくるだけ。

私も一度、赤で停車していたのに後ろからごっつん。
バックミラーで携帯をいじって、スピードを落としてこない馬鹿兄ちゃんがが見え、“これは絶対ぶつかられる”、と思っていたら、ごっつん。
“くそ、この忙しい時に”。
渋滞を起こさないため、お店の駐車場に誘導し、お互い顔あわせ。
セールスだか、株屋みたいなネクタイをしめた、ちょっとかわいい年のころ30歳ぐらいのお兄ちゃん。
向こうからぶつかってきながら、もちろん謝りもしない。
車の傷を見ながら、“たいしたことない”なんていったぐらいにして。
以前からアメリカ人は謝らないのを知っているので、“携帯いじっていたのが見えたぞ”といってやりました。
即、警察を呼び、事故調査。
といっても警察官は“たいしたことないから、お前たちでかたつけろ”だって。
そりゃー、殺しでも盗みでもない、バンパーチョコンだけど。
連絡先と保険の番号をもらい“さよなら”。
むかつくったらありゃしない。
傷が小さかったら、修理代の請求して傷をなおさず金だけもらうっていう手もあるけど、バンパーがだめになったから直さないわけにはいかない。
ということは、修理場に持っていったりと大変面倒くさい。
とにかく一応直して10万円くらいを請求した。
最初、“保険会社に出したら保険の掛け金が高くなるから、自費で払う”とか何とか行っていたけど、結局は金がなかったのだろうか、保険会社に請求となった。
ディダクタブルはたいてい5万円くらいいだから、このネクタイ締めたかわいい兄ちゃん5万円も貯金がなかったのかしらなんて、思った。
が、借金大国アメリカ、5万円貯金のない人はたくさんいるだろう。

ということで、アメリカというかほかの国では日本みたいに“すいません”というのはほとんど言いません。
“すいません”という言葉の裏には“自分の非を認めている”という行動が伴っているからだ。
そして、その“自分の非を認めている”という行動の裏には、日本ではそして日本人(二重国籍でも帰化人でもないですよ、日本人ですよ)の間ではとても理解に苦しむいろいろな実態が潜んでいるのです。

謝るということはすなわち“責任を取る”ということなのです。

慰安婦にしても南京にしても謝ったからには“責任を取らなければならない”のです。
だから、その責任の意味も知らず、何に対して謝るのかもわからず“謝ってはいけない”のです。

ちなみにここで、重要なことを伝授いたします。

英語で、すいません、ごめんなさい、私が悪うございましたは“I am sorry" と教わりました。
もちろんそれもありますが、日本で教わった、sorry はこちらではそれほど使われません。
だってアメリカ人は謝らない人種なので。
葬式に行った時に言う“I am sorry”は“ご愁傷様”。
人前でおならをした時に言う“I am sorry"は“失礼”。
身内が悪いことをしたときに言う“I am sorry"は“残念”。
たとえば悪くてすいません。


帰りの飛行機の中から。シカゴが見えます。









マンチェスターの飛行場。小さくて便利でした。



ジュンちゃん





ハブグレジュンタのマミー