退職女のアメリカ便り

オーストラリアンシェパード、ジュンタのマミーのアメリカ、セントルイス生活

#749: 親父と落し物

2016-09-23 21:27:46 | アメリカ便り
日本に来た外人が感心することは、まず第一にそのきれいさでしょうか。
羽田から出てくる道路の淵には結構ごみが落ちていますが、長年アメリカに住んでいる私にとって、そのほかの街中はけっこうきれいです。
そして第2に財布などの落し物が持ち主にちゃんと帰ってくるというところでしょうか。
もちろんその他にもたくさんたくさん数え切れないぐらい、日本人が気づかない外人が感心することが日本にはありますが。

落し物といえば思い出すことがあります。
私の親父は警察官でした。
警察官生活のほとんどは交番や駐在所勤務でした。
以前も書きましたが、私の親父はアル中、ヘビースモーカー、無責任な極楽トンボで小心者でした。
と書いたらまるっきりよいところがないように思われますが、やはりよく考えてもよいところが95%ない人でした。
5%のよいところは、都合が良い時だけやさしくなる(これが良い事と言えるかどうかわかりませんが)ということと、私に“誰かの家を訪れるときは手ぶらで行くな”と教えてくれたことぐらいでしょうか。
おかげで私は日本ーアメリカを往復するたびに毎回、お土産で戦後の買出し風景となるのでした。

話はそれましたが、落し物です。
落し物といえば交番ですよね。
日本人だったら子供のころから、“物を拾ったら交番に届けなさい”と教えられました。

親父が交番勤務のときも、日本の感心な子供たちが10円やら50円やらを拾ったからといって交番にやってきたそうです。
交番と言うか警察と言うところは、書く書類の量と言うのが膨大なところです。
始末書やら何やら、書くということ、頭を使うと言うことが大嫌いな、いつも必要最最最低限の仕事しかしていなかった、でも小心者だった親父にとって、この10円50円100円の落し物は非常のめんどくさい存在でした。
1000円とかぐらいだったら、いろいろ書類も用意するのだろうけど、子供が持ってきた10円50円100円の落し物。
親父は自分の財布から10円50円100円を出して子供に、“いい子だった、お礼だよ”と言って渡していたそうです。
子供が実際に持ってきたお金は自分の財布に戻したのでしょうが。
でもこれはしょうがないでしょう。
10円50円の落し物によい年をした大人が、何枚もの書類を用意しなければならないことはばかげています。

昔話でした。

ハブグレジュンタのマミー

夕食後、サンフランシスコのマージと電話で話しながら散歩をしていると(電話をしない人なので、こういったことはほとんどしないのですが)、だんだん暗くなってきたせいか目の前を蛇は横切るは、鹿の家族は跳ね回るや、おまけにモグラだかなんだかよくわからない黒いものが横切るや。
自然満載のところにすんでいます。