新聞を読んでいたら、こんな記事が載っていた。
「家も学校も友達も家族も全部失ってしまった。
こんな現実を誰が耐えられるのか。
本当ならすぐに飛んで実家に帰りたい。こんな精神状態での過酷な労働・・・・もう限界。
地震は天災。でも原発による放射能物質の汚染は東電がこの地にあるせい。
被災者である前に、東電社員としてみんな職務を全うしようと頑張っている。
心身共に極限まできている。
でも私たちは最後まで戦います。」
これは福島原発で復旧作業に携わる東電社員が知人に送ったメールだ。
メールの送信者は現在も施設内で、見えぬ放射線にさらされ、復旧作業を続けている。
原発で働く人の大半は地元住民で、家を流された社員も多いと言う。
この社員の実家も津波に襲われ、両親は行方不明のまま。
東電社員も被災者の一人に違いないが、思いは複雑のようだ。
地震すら東電のせいだと言わざるを得ない勢いの住民感情。
どの人もどの人も、苦しい。
あれだけ多くの被害をもたらした津波は、
その後も多くの人々の、心を身体を痛めつけている。