横浜から北海道の山村に移り住んだ、我が家のつぶやき

北海道追分に移り住み5年。今度は追分から恵庭へ。毎日が新鮮で愉しい事だらけ。そんな生活を気まぐれにおしゃべりしています。

成人

2019年01月15日 20時02分28秒 | 歴史

美しく着飾った成人のお嬢様が、にこにこ顔でテレビに映し出されている。

毎年変わらぬ映像。

46年前、20歳を目前にした12月31日、

バイト先のスナックの客と過ごしていた。

当時、男を追って家を出た母の借金返済で、

看護師をしながら日勤時は夜スナックで、夜勤明けはラーメン屋でバイトをする生活を送っていた。

友達は古本とお酒。

部屋にはトランジスターラジオとコタツだけ。

大晦日だからとなんの感慨もなく、

家に帰っても待人なし、来年20歳になるのなら女の子を捨てようと、

ちょっとはイケテル男に連いていくことにした。

30前半、しゃれたマンション、部屋に入ると目についたのはびっしりの本だった。

すごい・・

読みたい・・

 

1月1日、朝陽が眩しかった。

陽射しに映し出されたシーツの赤い点。

20歳、女になった。

 

“読みたい本があれば持っていっていいよ。”

3冊の本を手にし自宅に戻ると、

あんなに眩しかった陽射しとは無縁の、寒々とした無彩色の部屋が待っていた。

 

成人式、

日勤帰りにお酒と古本を買い、何を祝うでなし、ただただ無心に本を読んでいた。

 

 

 

 

 

 

 



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