白鳥の鳴き声が聞こえてこない。
白鳥の飛ぶ姿が見えなくなった。
日陰だけに残る雪。
横浜の娘一家が遊んだ雪山も、もう少しで消えてしまう。
ぐちゃぐちゃ道が固くなってきた。
畑にはトラクターが動き出し、
春一番に咲く福寿草は次から次へ黄色の花を咲かせ、
2番手のクロッカスも咲き始めた。
気温は上がり、
何ヶ月ぶりに外に干した洗濯物。
お日様の香りとチョッピリ冷たい風に、ゆらゆらゆらゆら、春の訪れを楽しんでいる。
北海道には色がある。
すべてが雪に覆われ、真っ白になる冬。
雪解けが始まり、真っ白な雪の下から覗く茶色の大地。
草木が芽を吹き出し、緑のグラデーションに心浮き立つ春から夏。
そしていつのまにか、嬉々とした緑の草木は冬の準備を始め、
再び茶色の世界へ誘う。
今、緑の世界へと動き出している。