鉄郎は薄いコーヒーに角砂糖を落としながらよく言っていた
「僕はこの角砂糖の結晶みたいな純粋でピュアな感じが好きなんだ」
「でもそれは間違っている。白い砂糖がピュアで、じゃあ
メープルシュガーはピュアじゃないってわけ?」
「メープルシュガーは純粋な砂糖と純粋な楓のエッセンスで出来てるのよ」
「ガンジス河がきたなくて、ペットボトルのエビアンがきれいってわけはないのよ」
「ガンジス河はヒマラヤからの純粋な水に、純粋なアメーバや、純粋な微生物が混ざっているのよ。」
「きれいか、きたないかは、その物には関係無いの。見てる側のココロの問題なのよ。月から昇ってくる地球はきれいだったでしょ。世界中で戦争が起こっていて、核爆弾が何発も爆発していて、何万人もの子供が餓死していてもね」
「ガンジスは世界で一番不潔で、同時に、世界で一番美しいのよ」