「宮沢先生、最近の医療技術はすごいですね
穏やかに死にかけている人を電気ショックで蘇生したり
ほとんど死んでいる人を栄養チューブとポンプで何年も維持したり」
「でも、お医者さんの視線の先を見てごらん
だれも患者さんの顔を見て無くて
心電図のグラフと数字だけを見てるだろ
彼らは何秒長く生きたかに興味が有るんだよ」
「なるほど、多くの人は、ガン治療を受けたばっかりに
禿げて、気分が悪くて、肺炎になって死んでたりしますもんね」
「病気が悪と思っている限りは、この世から
病気が無くなることは無いのだよ
病気と仲良くすることを覚えるべきだな」
ゴホゴホと咳き込みながらよろよろ歩く宮沢先生の後ろ姿は
まるで病気が服を着て歩いているようだった
すぐ上を見ると今まで枯れ木だとばかり思っていた枝には
桜がほころびかけていた
穏やかに死にかけている人を電気ショックで蘇生したり
ほとんど死んでいる人を栄養チューブとポンプで何年も維持したり」
「でも、お医者さんの視線の先を見てごらん
だれも患者さんの顔を見て無くて
心電図のグラフと数字だけを見てるだろ
彼らは何秒長く生きたかに興味が有るんだよ」
「なるほど、多くの人は、ガン治療を受けたばっかりに
禿げて、気分が悪くて、肺炎になって死んでたりしますもんね」
「病気が悪と思っている限りは、この世から
病気が無くなることは無いのだよ
病気と仲良くすることを覚えるべきだな」
ゴホゴホと咳き込みながらよろよろ歩く宮沢先生の後ろ姿は
まるで病気が服を着て歩いているようだった
すぐ上を見ると今まで枯れ木だとばかり思っていた枝には
桜がほころびかけていた