今回のギアナ高地手話通訳同行単独登頂は過酷な試練だった
垂直に切り立つ断崖をオオタニワタリのツルを握って登り
幾度かの頭上からのコンドルの襲撃
ハマダラ蚊による血の吸引
しかし、私は、この暗闇の中に小さな光があるはず、と
見えない目で精一杯上を見ました
すると天上から無数の旋律がシャワーのように降り注いだのです
そうして頂上へとたどり着いたのです
しかしは頂上は想像を絶する別世界だった
太古そのままのジャングルはシダが生い茂り
原始の人々が集落を作り、踊りを踊り
恐竜たちがわがもの顔で大地を歩いていたのだ
空と大地を切り裂くような獣の叫び
それは聞こえない耳にも魂の振動として感じました
その魂の表現がこの
「組み合わせ組曲・能小島」です
人々は私のことを、鬼武者・影武者・落武者とか
色々な名前で呼んできました
が、しかし、しょせんアートなど暇人のお遊びです
このお遊びを大学の先生や評論家やテレビや週刊誌が
意図的に持ち上げてくれたので私は成功者となりえたのです
ギアナ高地の写真はデジカメ本体を恐竜に奪われたし
SDカードはコンドルに噛まれ粉々に砕けました
それで持ち帰ることができませんでした
しかし、そのイメージはしっかりと魂に焼付けた
これは必ず次の作品として完成させる
闇をかかえたすべての人々の救いとなる礎といたします
2014年 ギアナ高地のスターバックスから送信した手記のコピー