どんどんどんどん、どんどんどんどん
壁の外から聞こえる音で私は目覚めた
白い天井と蛍光灯
ここは、脳病院のベッドの上だ
スラタニとバンコクに行っていた夢を見ていた
私はこの一ヶ月ずっとこの脳病院のベッドに居たのだ
バンコクに居る自分が脳病院の夢を見ているのか
脳病院に居る自分がバンコクにいる夢を見ていたのか
どちらがほんとうなのかは
この夢が次に覚めるまではわかることのない謎だ
「世界がどのようになっているか、でなく、世界があるということ、これが謎である。」
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
私たちには本当の事を知る能力が無いのだ
すべての事が夢であったとしてもそれが夢かどうか知ることもできない
人間とはそのように作られて生きている生物なのだ
だから、すべての答えを知っている人間はこの世界に一人も居ない
間違いなく一人も居ないのだ
真実は考えることも不可能で、答えることも言葉にすることも不可能なのだ
どんどんどんどん、どんどんどんどん
宅急便です、アマゾンさんからお届け物です
2015念7月 脳病院のベッドにて記された八田四郎の手記「ドングラ・マングラ 最終回」より
壁の外から聞こえる音で私は目覚めた
白い天井と蛍光灯
ここは、脳病院のベッドの上だ
スラタニとバンコクに行っていた夢を見ていた
私はこの一ヶ月ずっとこの脳病院のベッドに居たのだ
バンコクに居る自分が脳病院の夢を見ているのか
脳病院に居る自分がバンコクにいる夢を見ていたのか
どちらがほんとうなのかは
この夢が次に覚めるまではわかることのない謎だ
「世界がどのようになっているか、でなく、世界があるということ、これが謎である。」
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
私たちには本当の事を知る能力が無いのだ
すべての事が夢であったとしてもそれが夢かどうか知ることもできない
人間とはそのように作られて生きている生物なのだ
だから、すべての答えを知っている人間はこの世界に一人も居ない
間違いなく一人も居ないのだ
真実は考えることも不可能で、答えることも言葉にすることも不可能なのだ
どんどんどんどん、どんどんどんどん
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2015念7月 脳病院のベッドにて記された八田四郎の手記「ドングラ・マングラ 最終回」より