河童アオミドロの断捨離世界図鑑

ザスドラス博士の弟子の河童アオミドロの格安貧困魂救済ブログ。

物星友郎、レプリカントテストを受ける

2016年12月25日 | 世界図鑑
物星友郎はレプリカントテストを受けていた。

天井の照明が暗くなった。

「物星君、質問には5秒以内で答えてくれたまえ」

「はい、わかりました」

「皿にツチノコが乗っていた。君はどうする」

「食べます」

「タンスを開けたら冬の国だった。君はどうする」

「エアコンを暖房に切り替えます」

「肉まんとアンまんを間違えた。君はどうする」

「カレーまんに交換します」

「10円玉と100円玉。君はどちらが欲しい」

「1000円札のほうがいいです」

これによって物星友郎は人間であることが証明された。

「僕はアンドロイドではなくて、人間だったのか
じゃあ、この心の空虚感はなんなんだ」

「君は人間だよ。ただし、アスペルガー系の軽度の向社会性サイコパスだ
気にすることは無い。この21世紀になってから君のようなタイプが増えている
きっと社会に対応した人間の進化なんだろうよ」

「僕は病気だったんですね。これですっきりしました。これからは
この世界の片隅のもっと片隅に、ダンゴムシのように生きていけばいいんですね」

検査官の言葉を上の空で聞きながら、友郎の頭にはなぜか青空のイメージが広がっていた。
暑い夏の日の空だった。無限の時間があった。風の吹く夏の日の記憶だった。