向かいの青い屋根の家、椿と黒松の間に見えるグレーの壁の家、黒松に隠れて見えないがもう一軒家がある。すべて空き家、グレーの壁の家と見えない家は小中の同級生の家。当然、私の実家も空き家状態、見えない家を除いて、親族がたまに来て窓を開けて空気を入れ替えている。夏に帰った時、見えない家は庭と通路に人の背丈を超える雑草が生え木蓮の木が台風で折れたのか通路に垂れ下がり、玄関に辿り着けないほどになり、廃屋の一歩手前という状態になっていた。
実家も痛みがひどくなっている、妹たちが時々行って、雑草を取り空気を入れ替えているが、リホームしなかった部分はかび臭くなり、住み人を失った家の廊下は浮きが目立ち歩くと音がする。
夏帰った時防草シートを20メートル、先月は12メートル、裏庭に母が草花や木を植えた部分を少し残しほとんどにシートを敷いた。家庭菜園に使っていた部分は妹がマルチシートを敷いたので、裏庭はほとんど防草シートで覆われている。
空き家問題
野村総研の2018年の空き家に対しての全国の予測レポートを見ると、2023年には1293万個、空き家率19,1%、2033年には1955万個、空き家率27,3%になっている。5年前の予測、今はもっと多くなっているのではないだろうか。住民が亡くなったり、施設に入居したりして人が住まなくなった家が、私の住むところにもいっぱいある。
空き家の法改正があり、2023年12月13日に施行される、今までは廃屋でも立っていれば優遇されてきたが、法改正で固定資産税が6倍になることもあるのだという。
この法改正が、どれだけ効力があるのかは疑問を感じる、廃屋を処分するには普通の家でも200から300万円かかるのだという、個人にとって大きな負担になる。自治体が中心になり空き家を有効に利用する方法をさぐり、実験的なものからでも始めて行かなければならないのではと思っている。
母が生きている間は、実家をなんとか維持しようと思っている。母は今年90歳になった、嫁いできて70年、母が亡くなり、母の魂が帰って来る場所は、ここしかないと思っている。