細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●「キングコング」のネオ・クラシック美学。

2005年12月12日 | Weblog
●12月12日(月)12-00 有楽町<東京国際フォーラム・Aホール>
M-169 「キングコング」King Kong (2005) Universal 米
監督・ピーター・ジャクソン 主演・キングコング、ナオミ・ワッツ ★★★☆☆☆
圧倒的なVFXのパワーで3時間の上映時間は退屈しない。
さすがは「ロード・オブ・ザ・リングス」三部作の監督の自信と力量である。
とくにアカデミー主演男優賞のノミネートも間違いない(?)キングコングの名演技は素晴らしい。
ノスタルジックな1933年のニューヨークの再現も素晴らしく、オールド・ファンにとっては映像美に魅了された。
しかし、髑髏島での恐竜や巨大害虫とのアクション・シーンが長過ぎるので、肝心のキングコングと美女の情愛が、どうも納得づくで進行しモンタージュもオリジナルを後半で急追するのが気になった。
初めてこのクラシックなアドベンチャーを見るひとは、ストーリーのスクラップぶりについて行けないのじゃないだろうか。
本来は人間の自然破壊や、大衆娯楽の稚拙さを批判したテーマなのに、今回はとにかく土迫力の恐竜アクションに終始した印象だ。しかし、スピルバーグも唸る「ジュラシック・パーク」大破壊シーンは凄かった。
ピーター・ジャクソンの映像技術は呆れるばかりのテクニックで圧倒する。
この技量は否定できない。