細越麟太郎 MOVIE DIARY

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●「クラッシュ」のロス下流群像。

2005年12月14日 | Weblog
●12月14日(水)13-00 東銀座<シネマート銀座試写室>
M-171 「クラッシュ]Crush (2004)Lions Gate Films 米
監督・ポール・ハギス 主演・オールスターで特になし。 ★★★☆☆☆
ロサンゼルスのいろいろな人種の人々が、ひとつの交通事故で出逢うことになる。
アイデアはポール・オースターの「スモーク」や、ローレンス・カスダンの「わが街」に似ている。
さすがクリント・イーストウッド映画のシナリオに関わっていたハギスの初監督は面白い。
実によく練られたシナリオは、上質な群衆ドラマの「マグノリア」を思わせる。
それぞれの人物の皮肉なドラマ構成は秀逸だが、全体にちょいと悲観的な印象だ。
「空砲と天使」というタイトルにして欲しいほど、ストレートで暗示的だが、もう少しシニカルなユーモアが欲しかった。
十数人の俳優が競演しているが、マット・ディロンがやっといい役で印象に残った。
こういう団体劇は、やはり誰かひとりを主役にしないと腰が弱い。そこが少し残念だったなー。