《内容》
娘・夏帆、38歳、小説家。母・美紀子、78歳、主婦。強烈すぎる母親の呪縛から逃れようともがく夏帆に、母を赦せる日は訪れるのか。濃密で普遍的な、愛憎と感動の物語。 (紹介文より)
―――親子の間でも、相性というものはある。お互い人間である以上、こればかりはどうしようもない。家族でなかったら、血のつながりがなかったら、絶対付き合わないし近づきもしないような相手と、否応なく一生関わり続けることの不思議・・・・・。
―――大人になってからの性格や性癖について、原因のすべてを幼少期に起きた出来事に求めるのは間違いだろう。人はそれぞれ十代に入った頃から少しづつ親の支配を離れ始める。自身の判断による成功と失敗を積み重ねながら、ではなくとしての人格をつくりあげ、一人前の大人になってゆく