二鶴工芸です。
昨日、京都駅ビル2階 京都茶寮 「京ものセレクション 現代に受け継がれる琳派」の搬出でした。
お越しいただいたお客様、ご購入いただいたお客様、本当にありがとうございました。
またこのような機会があればよろしくお願い致します。
同時に平成27年度 京もの工芸品「京都オークション」の作品搬入。
同じ京都茶寮でのイベントです。
京都府内の若手職人さんを全国へ発信するとともに、作り手と買い手と繋がる新たな市場づくりを目標として平成24年から開催。
■日時:平成27年12月12日(土)~平成28年1月14日(木)
■場所:JR京都駅ビル「京都茶寮」
今回は、1ヶ月の期間に及ぶ札入れ形式オークションと出品者&参加者交流会やイベントスペースでの展示(イメージ)、製作実演等を行う予定。
今回のオークションは全て再生産無しの新作の一点もの作品(商品)です。
私はあまり流通していないアザラシ革を使った本革製の道中財布を出品します。
今回も各職人とのコラボで制作しました。
革小物・組紐・京銘竹、また金彩加工した生地はもう手に入らないデッドストックの西陣織の生地を使用。
そして落札していただいたお客様にはオプションとして、ご自身の家紋を京銘竹の緒締めに加工致します。
展示の緒締めはあくまでサンプルです。
ご興味ある方は是非、ご希望の落札価格を書いて投函してください。
私の開始価格は¥15,000からです。
我々出品者は会期終了までドキドキの毎日です。
京都茶寮前のイベントブースでは出品作品の詳細がパネルで展示されていますので、そちらも観覧してください。
以下が道中財布の詳細です。
道中財布というのは、江戸時代から旅人が旅に出る 時に必ず、お金や重要書類などを肌身離さず懐に入れて持ち歩いたといわれています三つ折りの財布になります。
アザラシ革茶色にデッドストックの西陣織生地に家紋菱柄を金泥で摺り箔加工。
正絹の組紐使用、緒締めの部分は京銘竹に家紋彫(金箔押し地)。
ファスナーのつまみは竹製。
札入れ1ヶ所とカード入れ、ファスナーの小銭入れになります。
小銭入れの内装は家紋柄です。
京都の粋(すい)
東京(江戸)の「粋(いき)」に対して京都(上方)は「粋(すい)」といわれています。
粋(いき)というのは、呼吸の「息」に通じ粋(いき)はマイナスの美学。
呼吸は吐いたときに「息」になる。
吸っているときはただの空気で、それが人の体の中を通って吐いたときに息になる。
この身の内から外に出していくというのが、江戸の「粋(いき)」です。
こそぎ落としていく、背負い込まない、吐いていく、削除していく。
ギリギリの最低限のところまで削り取っていき最後に残った骨格のところに、何か一つポッとつけるのが江戸の美学の「粋(いき)」です。
それに対し京都(上方)は粋を「すい」と読む。
上方の粋(すい)は「吸う」に通じ、身の回りのあらゆるものを自分の身の内に取り込んで血肉として自分を磨いてゆく。
いろいろ習い事をしたり、情報を集めたり、教わったり教えたりという人の間でもまれて身の内に吸収して粋(すい)になっていく。
おしゃれにしても、お白粉を塗る、紅を重ねる、着物を重ねるという風にどんどん乗せていくプラスの美学が「粋(すい)」です。
本品は西陣織・京友禅(金彩工芸)・組紐・京銘竹・革小物と各職人の技術の結集で生まれました。
まさに「粋(すい)」の道中財布になります。