二鶴工芸のきままなブログ

京都で呉服に金箔を装飾する金彩工芸の職人です。
仕事のうんちくや商品説明等きままな事を更新していきます。

糸目

2020年08月26日 | 日記

二鶴工芸です。
画像は古物の着物。

なぜうちにそんなものがあるのか?というのは長くなるので割愛します。
仕事の商品ではありません。
着物は解かれた状態でした。
留袖のようでしたが黒地も完全に色が褪せていまいました。
生地の幅も狭く劣化もあり相当前のものだと思います。
紋様は簡単なもので糸目の波と波頭には刺繍のみです。
ものの良し悪しは別として画像では少しわかりにくいかもですが、髪の毛に近いほどのかなり極細の線で波が糸目のみで描かれています。
当時の職人さんの技術の高さがわかります。
今のベテランの職人さんはできるかもしれませんが、この先にこのような技術を持った職人が存在するかどうか!?
職人仕事というのは日々の積み重ねですので、現在のこの状況下ではいくら技術を持ったベテランの職人さんでも仕事が無ければ劣化していきます。
また仕事が無ければ職業として成り立たないので後継ぎも育ちません。
かと言ってこのような技術を持っていても需要が無いこともあります。

技術があっても仕事が無いということは今に始まったことではなく、結局都合の良い職人が重宝されるのはよくあることです(>_<)












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