Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

ナショナルアクアリウムを訪問

2009-02-20 | Weblog
ナショナルアクアリウム in DCを訪問した。

 この建物は商務省の地下にあり,1800年代に設置された歴史のある水族館である。本来は,水産資源の減少を危惧した研究者たちにより飼育施設として始まった。設立当初は,MBL(ウッズホール海洋生物学研究所)とも関わりもあるようだ。1 educator, 4 aquarist, 1 exbitary , 1 directorである。100年以上の歴史を感じさせる展示である。今はやりの巨大水槽はないが,入館者数は1000/day summertime, 500/day wintertmeであるという。


 NPOが経営をしている。こちらのNPOは国からの支援を受けている他,ドーネーションによって成り立っている。アメリカン自然史博物館もNPOの経営である。(寄付活動は普通であり,生前に寄附するのをPlaned giving といい,遺産を寄附するのをEstate givinngという。知り合いによると聞,生前に寄附することで生きているうちにその効果を確かめることが出来るのでいいのだ,という。アメリカは支え合って成り立っているともいっていた。国からの支援がほとんどなく,寄付行為の習慣もない日本とは大きな違いである。)


アクアリストの一人にインタビューをした。
-why do you select aquarist? 
--My major is biology, but marine science class taking,diving, aquarium loving.In Us Marine science getting popular,
-why?
-- Marine issue, aqua problem will be becoming important.

 NOAAとの関わりを聞くと,NOAAに所属するNational Marine SanctuaryやNational Marine Sanctuaryから情報を提供してもらい,環境保護について最新の情報を提供しているという。

サンフランシスコ湾 ニシン漁最盛期

2009-02-02 | Weblog
 旧正月を迎え,春らしい天気が一段と続いているが,春を告げる魚「ニシン」の産卵がはじまった。とっていっても,ここは閉伊川が注ぐ宮古湾ではない。サンフランシスコ湾である。
 
 バークレーにあるスーパーマーケット「東京フィッシュマーケット」に出向く。陳列されている魚に今まで見たことのない,懐かしい魚が。「これはどこのherring?(ニシン)」「これはサンフランシスコ湾だよ」という。店員によると「今が最盛期だよ。2週間だな。サンフランシスコ湾にニシンの大群がやってくるんだ。ほとんどの魚は,日本に数の子の材料として送られるんだ。今は小さい船がたくさん出ているよ。ピア43が水揚港だよ。」

 早速,ワカサギ博士はニシン調査に早朝に出向く。漁船を発見。ちょうど,サンフランシスコジャイアンツの球場の前だ。しかし,ニシンの姿は確認できなかった。観光船に乗り,ピア39から湾内を周遊。湾全体が白く濁っているのを確認した。ニシンの産卵の後と推測したが,断定はできなかった。

 春告げウオといわれるニシン,まさしく西海岸は最高気温が19度,陸も海も春である。




「クジラバーガー?,それともバイソン?」

2009-01-13 | Weblog
ニューヨークタイムズでは,先週の水曜日から日本の調査捕鯨に関連し,「クジラのバーガーを食べるかそれともアメリカバイソンのバーガーを食べるか?」に対するコメントを募集している。http://community.nytimes.com/blogs/comments/dotearth/2009/01/07/on-whale-wars-and-bison-burgers.html?s=2
アメリカバイソンとは一時期絶滅しかけた野生種で現在では増えているという。サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ公園でも見かけることができるそうだ。バイソンは食べたことがあるか,とサンフランシスコ在住の方に聞いてみたが,バイソンは食べるものではない。という。つまり,野生動物であったらば,クジラを食べるのかバイソンを食べるのかという意味であろう。しかし,この質問にダイレクトに答える回答はほとんどなく,日本に対する意見がほとんどを占めている。その意見は,こうだ。野生動物は,殺すことはできない。崇高な生き物である。生態系の頂点の生き物を捕ると悪い影響が出る可能性があり,捕獲はいけない。南極海域はピースエリアであり調査できない,などである。これに対して,私も投稿してみた。
I'm now really concerned about fresh-water shortage in this country,
The shortage was maybe caused by human activities. Especially, cattle breeding and large scale agriculture cause decreasing a lot of forest and water.
So I would like to propose that to maintain the sustainability of fresh water and land resources, people may depend on ocean ecosystem services more. We discuss and research with all countries how to use ocean ecosystem services appropriately for the future generations.
(アメリカは,水不足が深刻だ。もっと海の生態系サービスを利用するように議論し,調査すべきではないかという趣旨)



メンドシノカウンティーの河川

2009-01-12 | Weblog
 フォートブラッグの帰り道,やはり気になるのは,河川の状況である。高速101沿いのロシアリバーの看板が目に入った。ちょうど,海まで60km程度の場所。確かに,森林に囲まれて豊かな緑は豊富であるが,河川の状況は決して良い状況とはいえない。どこを見ても,閉伊川のひょうたん沼の状態である。一昨日のサンフランシスコ新聞でも,マリーンカウンティ(サンフランシスコのすぐ北)今年もギンザケの遡上は期待できないとする記事が,B欄のトップ記事になっている。その理由は,雨が少ないからだ,といわれているが,はやり原因は森林の破壊,そして1850年代からのダムの建設によるものだと記者は述べている。1950年代までほとんど問題はなかったが,それ以降急激に遡上がダウンしたようである。見渡す限りのワイナリーが続く道を走りながら,ブドウ畑の豊かな恵みに心を痛める思いであった。

グッド・シェパード・ルーテラン・スクールを訪問

2009-01-11 | Weblog
 グッド・シェパード・ルーテラン・スクールを訪問した。この学校は,キリスト教の私立小学校である。サンフランシスコから北に30分ほど車で行ったノバト市にある。訪問したクラスは4年生16人のクラスで担任の先生は3人。他,芸術や技術の先生が別に配置されている。ここの小学校では,2年前にカルフォルニア大学バークレー校の海洋教育講座(MAREスクール)に校長先生と担任の先生が参加したのがきっかけで,海洋教育を年間計画に取り入れることになったという。毎年2月にオーシャンウィークを設置し,海の学習を実施しているようだ。今回は,バークレー校のMAREエデュケーターから15名の職員に対する「ラーニングサイクルの教育方法」講習会であった。
 講習会終了後,芸術の先生にお話を伺った。
TS「他の教材と比較して海の教材はどうですか?」
MB「他の教材に比較して,子どもたちが非常にアクティブである。その理由は,おそらく,全校生徒全員が取り組めるように作られていることと,海の世界は陸上世界と違い水中世界なので子どもたちの興味を引きやすいのではないでしょうか?」
TS「どんなことをしていますか?」
MB「各学年に応じて様々な海のことを学んでいます。保護者も一緒に参加し,大変高い評価を得ています。また,オーシャンウィークでは学校全体が,子どもたちが描いた海の生き物でいっぱいになります。また,Tシャツに魚拓をほどこし,全員がきるんですよ。日本では魚拓をやらない?ぜひ,やってみて下さい。子どもたちが生き生きしますよ。」
TS「他にメリットはありますか?」
MB「はやり,こうして大学の先生が訪問して教え方を全員に教えてくれるのです。私たちは海のことは素人です,でもこうして丁寧に教えてくれるので大変助かっています。」
 カリフォルニア大学では,海洋教育に関して少なくとも全米の15000人の学校教師により30万人の小学生に教えられているという。大学と学校現場が直接的に繋がりを持っている。日本でも,海洋リテラシーを推進するためにはこうした組織的な取組が重要になってくるであろう。

LHS Mare staff teach learning cycle in Good Shepherd Lutheran School.
teacher said Mare program is good for learning science, University staff come to school directly.
It is important to have relationship between university and school to enhance science literacy.



フォートブラッグ Nayo川河口域を見学

2009-01-10 | Weblog
フォートブラッグでは,海岸線と河口域を見学した。海岸線は砂浜と断崖が続く美しい景色である。世界一のバーベキュー大会が開催されるというNayo川の河口域も見学した。河口域の川幅は100mで大きな河川ではない。この河口域には,漁船や沿岸警備隊の港になっている。シーフードレストランが集積していて,fish marketも見られた。透明度は悪く,閉伊川のひょうたん沼のような状態であった。fishmarket に立ち寄り,店員にサケの状況を聞いてみた。「このNayo川にもサケはのぼるのですか?」「少しはのぼるが,現在はほとんどサケが戻ってこない。ここの,スモークサーモンもアラスカのものです」とサケの不良を嘆いていた。「水不足も原因か?」「それも一つの原因ですが,サケが上ってもアザラシに食べられるんですよ。」
ここメンドシノ郡でもサケの放流も実施されているが,なかなか日本のように資源確保という名目だけではうまくいかない事情があるようである。


メンドシノ カウンティー フォートブラッグ

2009-01-08 | Weblog
メンドシノ カウンティー フォートブラッグ
Mendocino county Fort Braggへ行く
岩手とゆかりのある町といえば,フォートブラッグ市であろう。人口約7000人,大槌町と姉妹都市の提携を結んでいる。サンフランシスコから101を使い北上,2時間半あまりでWillsという町へ着く。そこから,40マイル約50分をかけ,山中のハイウエイ20号を走る。ハイウェイといっても急カーブの連続である。同乗者が酔うほどの道なりだ。ちょうど,笛吹峠や土坂峠のようである。しかし,山がそれほど高くない。また,同緯度とはいえ,雪は降らない。途中,レッドウッドという大きな木の林に出会う。木々の緑は岩手の山々を思い出させる。田舎といえば田舎であるが,国際空港のあるサンフランシスコから車で3時間強というのは魅力的である。フォートブラッグ市には多くの宿泊施設,リゾート施設が集まっている。サンフランシスコの人口は70万人であり,周辺を合わせても,100万人足らずである。仙台空港がもっと国際化を進めれば,岩手県沿岸部も観光地としてさらなる発展する可能性を秘めている。

おさかなの達人奈良を訪れました

2008-11-29 | Weblog
 ワカサギ博士はおさかなの達人として奈良県宇陀市室生にある小学校を訪れました。全校生徒は90名弱と少ないのですが大自然に囲まれたところで元気いっぱいの事ども達でした。講義の前に,元中学校の理科教師である教頭先生には室生町の自然特に河川をご案内いただきました。河岸や川底には凝結溶解岩が多くみられ,至る所に漬け物石によさそうな石が転がっています。室生寺前の河川の対岸の眺めは絶景でした。また,室生ダムも狭窄部にダムを造り奈良県の水瓶としても利用されます。河川が多いのですが,山はそれほど高くありません,今は吉野川から水をもらっているので問題はありませんが,以前は水不足にも見舞われたようです。また,人々が長年住んでいる事もあり利水権がかなり厳しいようです。
 さて,実際に魚類採集を5年生としたわけですが,残念ながら時間もなくご対面する事ができませんでした。しかし,あらかじめ採集したドジョウを子ども達は喜んで観察していました。
 また,子ども達にどれだけ魚の事を知っているか聞いたところ,一生懸命に答えてくれました。川の魚より海の魚の方をよく知っているようです。お父さんと海に釣りに行った事をお話ししてくれる子どももいました。奈良県には海はありませんが,とても海に興味関心が高い事が分かりました。今度は是非,海と川のつながり,海と山とのつながりについても,話をしたいと思います。時間が少ないのが残念でしたが,機会があればまた訪れたいと思います。

水産調査-釜石~大槌~山田~宮古~田野畑

2008-11-21 | Weblog
11月17日~11月20日の4日間,岩手県沿岸の5市町村,釜石,大槌,山田,宮古,田野畑をめぐる水産調査が開催された。東京海洋大学海洋政策文化学科2年生22名を引率し,各地の水産行政の現状を視察した。多くの学生は岩手県がはじめてであり,見るもの聞くもの全てが感動の連続であったようである。水産振興には2つの方法がありそしてそれぞれに課題があるというが,特に,今回の視察ではグリーンツーリズムとしての新しい水産の魅力に焦点を当て簡単に報告する。山田湾の養殖業体験での山と海の美しさ,田野畑村のサッパ船ツアーでの洞窟,絶壁を巡る迫力はかなり印象深いものであったようだ。田野畑村のサッパ船は3年前は400人が,今年は3000人を超しているという。総額で2000万以上の利益があるようである。両町村での体験ツアーは,学生たちを魅了した。単なる,標準語のガイドにはない,"本物"の魅力がある。サッパ船といえど,船長である。「どのくらい訓練すれば,上手くなるのか?」等と質問をしていた。ツアーのとりこになっていた。ここは,イミテーションやバーチャルな世界にはない,本物の感動がある。5市町村には,それぞれ,観光客を引きつける多くの資源が沢山あり(水産資源の他にも歴史,文化等),それをいかに東京などの消費地や海外に発信していくか,地元の人々にもエールを送り,そして海業専門家としての学生たちの今後に期待したい。

「海の科学を学ぼう!」連携講座

2008-11-15 | Weblog
今週月曜日から5日間開催された、港区立の児童館との連携プログラム「海の科学を学ぼう!」が本日無事終了した。小学校1年生から3年生までの好奇心の強い子供たちは、海の科学がぴったりである。「本来科学というのは人間の本来備わっている好奇心から生まれてきたものである。」という考え方に基づき、考案されたラーニングサイクル(水産学会誌水産研究のフロント,2008)がベースになったもの。参加してくれた小学生の目の輝きがとても印象的であった。海は未知な世界であり,好奇心旺盛な子どもたちにはとても魅力的なのである。「どうしてプランクトンはこんな形をしているの?」「砂はどうやってできるの?」「どうして虹はできるの?」「どうして赤い魚は見えなくなるの?」子どもたちの生き生きと学習に励んでいた。ファシリテーターをつとめた大学生19名は実によく熱心に子供たちに対応した。教育活動を実践することは大変ではあるが、講義で学んだ内容の振り返り、さらなる意欲の向上につながる。今回はとても貴重な時間を与えていただいた。関係者の皆様に感謝いたします。今後このような形で日本にも海の科学が広がっていく事を期待したい。