USCシーグラントのエデュケーターから紹介され,カブリオ水族館のコーディネーターのラリーを訪問した。この水族館は私立であるが,職員はロスアンジェルス市職員である。100名のスタッフがおりそのうちフルタイムが40人である。職員の構成は,アクアアリスト5名,スタッフトレーナー10名,エデュケーター8名,エデュケーションキューレター1名,アウトリーチエデュケーター8名,プログラムディレクター2名,ホエールウオッチコーディネーター1名,ボランティアコーディネーター1名などである。
多くの職員が好意的に各施設を案内してくれた。
アウトリーチ担当者のクリスは水族館に来れない子どもたちのための活動をしている。移動用のバン3台を見せてくれた。バンには海洋生物を設置し移動する展示するための特別の常設装置を備えていた。パペットショーはアウトリーチで最も人気のある催しで,着ぐるみを子どもに着せながら生物の説明をするもの。今日はクジラ祭りでホールで実施するという。「あなたも着ぐるみを着るの?」「見ればわかるように,私は必要ないよ。」とジョークを飛ばしていた。
教育担当のジムは,2つの教室を見せてくれた。「日本の海洋教育の普及のための視察です。」とこれまでの経緯を説明した。「教育担当として力を入れていることは?」と聞いてみた。「科学というのは遠い存在ではなく身近な存在であることを子どもたちに伝えることがこの水族館の使命です。」「子どもたちが,水族館に訪れて,研究者の様子や研究の方法を学ぶことが出来るように,心がけています。」
「ぜひ,見ていただきたいのはレイズ・ナサーリーです。」とジムに案内されて水族館の研究所に設置されているの展示室に向かう。レイズ・ナーサリーとは一般公開された生物飼育研究室である。ここは,研究所の飼育施設がそのまま見学できるようになっている。ユニークなのは,中学生から大学院生が研究する施設になっていることだ。その研究の様子を一般客が観察をする。入り口には,研究の手法が説明されている。もちろん,グルニオンやクラゲ,タツノオトシゴなど,飼育している生物も興味深いが,研究の様子を間近に見ることが出来る。まさに,ジムが話してことである。ここには,専門のキューレーターも配置され,プログラムディレクターとともに,研究内容や展示内容を検討しているという。
研究に取り組んでいるPB高等学校のケビンにインタビューした。「なぜ,ここで研究しているのか?」「学校の選択授業の一環で,研究活動の場所としてここを選んだ。」「将来はドクター(医者)を目指している。」「ドクターになるため,生物学か,生物化学の学科に入学しようと思っている。」「マリンバイオロジー学科には進まないが,興味があり,研究手法は同じであるのでとても勉強になる。」と話してくれた。(PB高校はアジア系の高校生が多く,競争が激しい,という。)
最後に,ディレクターのマイクに話を伺う。カブリオ水族館のミッション(使命)は「全ての訪問者に,教育,レクレーション,研究の機会を与えること,そして海洋生物への理解,保全,感謝の心を高めること。」であることを伺った。机の前に掲示しているこのミッションをいただいた。私も,訪問者の一人であることを後で身をもって感じている次第である。
Cabrillo Marine Aquarium
engages all visitors
in education, recreation, and research
to promote knowledge, appreciation,
and conservation
of the marine life of southern California.
Cabrillo Marine Aquarium Proposed MISSON 2003
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Cabrillo Marine Aquarium
will be internationally recognized as a leader
in providing friendly and accesseible
seashore programs and facilities
for understanding and improving
our relationship
wih the marine environment.
Cabrillo Marine Aquarium Proposed MISSON
水族館の展示を見学した。75年の伝統がある水族館である。気候は穏やかであるが,海は冷たく,寒流系の魚が多い。クラゲの飼育展示は日本の水族館の協力によるものであるという。日本から来たミズクラゲ(Aurelia aurita) も展示されていて,ミズクラゲを1年間研究したワカサギ博士としては大変うれしい限りであった。
確かに水族館施設は日本は世界一の数を誇り,世界最大級の水族館をあちこちに備えている。科学技術白書でも,科学技術と社会との対話の必要性が指摘されている。水族館施設等において,実物を用いた教育こそ最も効果の上がる科学教育である。特に,海洋科学はホリステッィクな学問であり地球を科学的に捉えるためにも学習の価値があるだろう。その意味では,水族館は最も身近で親しみやすい科学学習施設であるといえるだろう。ぜひ,日本でも海洋を通して科学教育に力を入れていきたいところである。
Cabrillo Marine Aquarium
100 staffs, 40 full time employees, 5 aqualists, 10 staff trainers, 8 educators, 1 education curator, 8 outreach educators, 2 program directors, 1 whale watching coordinator, 1 volunteer coordinator,this aquarium mission is to inform to students that science is not far from our daily life, what most emphasis thing is to show them what the scientist is doing, how to do in scientific method. Raise nursery is the laboratory to show the audience how scientist raise marine creature, how to research in scientific method. some time high school student engaging in research activity.