Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

マルセイユにおける海洋教育ー2 ノートルダム大聖堂,セントビクトル大聖堂を訪問

2009-10-08 | フランスの海洋教育
 マルセイユは,開港以来地中海の中心的な港としての役割を担ってきた。フランスの地中海の玄関口である。そのマルセイユの歴史は古く,26000年前に港が建設され,ギリシャ,モロッコ,クリミアなどの海外との交流が盛んな場所であった。マルセイユのキリスト教会はレバノンから移住したクリスチャンに遡る。彼らは,マルセイユの港を見下ろせる高台に教会を建てた。3世紀である。その後,ローマ人がやってきて,キリスト教を学んだ。今でもここには3世紀に建てられた教会「聖ビクトル教会」が現存し,マルセイユの人々の心のよりどころになっている。聖ビクター教会を訪れると,18世紀も変わらずに,厳然としてキリストの教えを未来に渡り伝えている事がよくわかる。聖ビクトルをはじめとした,歴代の司祭の遺骨が,宝物にくるまれて教会の正面にディスプレイされている。石棺に掘られた装飾は,2世紀に作られたものである。キリストの永遠の教えを今に伝えている。命がけで一生をキリストに捧げた証である。
 2000年経ても変わらないキリストの厳然とした存在があり,その教えを守り続けている信仰心が存在することが伺える。神は,偉大な存在であることをこの建物の歴史を通して感じるようになっているのだろう。その建物に刻まれた人間の歴史には,誰一人として逆らうことが出来ないのだ。信仰心の厚い人であればなおさらである。皆が信じる,心のよりどころを誰も破ることが出来ない。それを破ろうとした科学者が中世で悪人扱いを受けた。そんなにたやすく神の教えは破られなかったのだろう。
 また,ノートルダム寺院は最も高い場所に位置し,古来より船の守り神としてマルセイユの船乗りの信仰を集めた。日本の神社とは異なり,願いことがかなってはじめて感謝のプレートを飾る。プレートと一緒に自分の船の絵画や船の模型も飾る(写真)。ちなみに,江戸末期の日本人がはじめて訪れたヨーロッパもマルセイユであった。彼らは,ノートルダム寺院のエレベータに驚いた。