Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

日本海洋政策研究会

2010-12-05 | 水圏環境リテラシープログラム
日本海洋政策研究会が東京海洋大学において開催された。海洋政策研究というテーマで様々な研究分野の方々が集まり,実に興味深い研究会であった。楽水会館善幸ホールは満員御礼出会った。

午前中のパネルディスカッションでの議論では,海洋政策の方向性に関する議論が行われた。海洋は我が国にとって重要であるにも関わらず,国民から重要視されていない。特に,船舶職員の減少,漁業者の減少などの問題に同対処すべきか。

これに対し,的を得た回答が法律の専門家からあった。現在の経済システムでは,消費財として緊急性の高いものが優先され,価値が付けられる。しかし,公共財のようなものに対しては値段がつかないのである。それが,市場経済の宿命である。このようなことを解決するのは,政府の役割だ。政府がどのようにして,公共財を守っていくのかが,問われる。

小さな政府の重要性が叫ばれるが,ある程度政府がしっかりと自分の役目を果たすことは大切だ。その役目とは,方向づけをすることだ。これからどのように,国民の生活を方向づけるのか,それが一番大切だ。市場経済に流されない,普遍的な価値付けを行ってほしい。と願う。

しかし,問題がある。その問題とは,政治家と政府の役人の問題だ。と語る政治学者もいた。将来の方向づけを優先的に行うことが出来る役人は皆無に等しいという。何故ならば,政府の役人は出世することが一番の価値であるからである。そして,政治家もいかに人気を得て票を集めるかが重要であり,そのような方向にいかざるを得ない状況にある。という。

それでは,何をすればいいのか,ある科学研究者は人材育成の必要性を語った。最後の結論は,人材育成なのである。しかし,その多くの議論が通常漠然としたものである。こう出来ればいい,という願いで終わる。


私たちが訴えていることは,具体的な人材育成の手法と方向性である。水圏環境教育の理念が多くの人々に理解されることを願う。

なお,来年1月から日本海洋政策学会が発足することが決まった。