遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

腹が減ったらやってくる

2012-04-20 21:03:56 | 大学生活
うちの大学のキャンパス、今年の春もクマの目撃情報が出ました。いつもはキャンパス裏の山側なんですが、今年は堂々と(?)大学キャンパスの中央交差点とコンビニの間という素敵さであります。皆様、気をつけませう♪
他にも金沢近郊は春になると腹をすかせたカモシカが人里近くにまで降りてきます。16日には能美市の道の駅「しらやまさん」にニホンカモシカさんが来店してはったそうです。記事に掲載された写真がとってもキュート。(笑)

秋田のクマ襲撃、従業員の死者2人に 逃げた6頭を射殺(朝日新聞) - goo ニュース
2人も亡くなられたんですか、ご冥福をお祈りいたします。


京大、悪性がん内の一部のがん細胞が放射線治療後に再発する仕組みを解明(マイナビニュース) - goo ニュース
先日、抗がん剤治療で起こるがん再発の問題について書きましたが、今日は放射線治療に対して生じる再発がんのお話。癌というのは、無限に増殖するために栄養や酸素を供給するための血管を勝手に新生させます。そうやって作られる血管を「腫瘍血管」といいます。この腫瘍血管の近くにいる癌細胞は栄養や酸素がドンドン供給されるので元気よく増殖できるのですが、離れたところにいる癌細胞は低酸素状態のシフトをしいてあんまし増殖しない状態になっています。
放射線治療では癌細胞が切れたDNAを修復したり細胞の増殖を止めたりすることができなくなってることを利用してやっつけるのですが、どうも腫瘍血管から離れている低酸素状態シフトで生きている癌細胞は増殖が活発でないおかげで放射線処理から生き残るようです。そいつがまた、腫瘍血管の近くに移動して活発に増殖を初めてめでたくがん再発ってことに・・・めでたくないですな。

最近、CellやNatureにがん細胞の大規模ゲノム解析の論文が散見されます。そこでショッキングなのは、どうも簡単な組み替えや染色体融合だけでは説明できないようなゲノム構造の再編成が見つかっていて、それがどうも染色体が一度バラバラになって再びくっつけ直されたんじゃないかと思われるくらいのメチャメチャさ。この現象ががんの悪性化に関わっていそうなのです。そうなるとひと昔前の抗がん剤や放射線照射のようにDNAをズタズタにする治療法は逆効果だったんじゃないか・・・なーんて・・・困ったなぁ。

文中で「がん」と「癌」と書きわけてますが、この二つは厳密にいうと違うのですよ。漢字の「癌」は上皮細胞の悪性腫瘍を指していますが、ひらがなの「がん」は白血病のような上皮細胞由来ではないものも含んでます。
ちなみに遺伝屋ブログではたいして意識して使い分けてません。ことえりに任せてます(プロの研究者としてはありえない orz)。w 

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