遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

人工がん幹細胞

2012-04-16 21:23:47 | BIONEWS
桜が咲き出したので、あちこちで咲いてるのを獅子吼に遊びにいったときとか通勤の途中とかで撮ってるんですが、その前に春スキーに行った時に撮った写真を貼っておきます。『いでんや』からどうぞ。最初の5枚は白馬コルチナ国際スキー場で後半5枚は栂池スキー場です。どっちもボッチで滑ってたので、孤独感満載の画像であります。w

肺がん治療薬イレッサ 2週間でがん細胞がほぼ消滅した例も(NEWSポストセブン) - goo ニュース
この記事は抗がん剤の紹介がうまいこと書かれているのでピックアップしました。正確には分子標的薬剤でして、一昔前の抗がん剤とは作用機序が全く違います。分子レベルで狙い撃ちっていう薬であります。効くときゃ劇的に効くんですが・・・・再発すると使った薬は金輪際効きません。でも、例えば肺癌で余命3ヶ月ってのを、10ヶ月くらいに延ばすことが出来るわけです。ちなみにタバコが原因の肺癌の場合、最初からこれらの抗がん剤が効かない可能性が非喫煙者の場合より高いそうです。タバコ止めませうね。

iPSから「がん幹細胞」作製…岡山大チーム

抗がん剤治療では「再発」が大問題です。再発した時には癌細胞どもが使われた薬に対して耐性を持っているんです。イレッサなんか効くとほとんど消滅ってくらいの勢いで癌を抑え込むんですが・・・数ヶ月後に再発してくるんですな。この原因として考えられたのが、『がん幹細胞』。
このがん幹細胞というのは癌の供給元になってる細胞で、その細胞自身は癌になってないんで分子標的薬が効かない。そんなわけで薬で癌細胞が一度無くなっても、もっと強くなった癌細胞を新たに供給してくれる超迷惑な幹細胞♪
こいつを根絶やしにせなあかんといって、多くの研究者が取り組んでおるわけですな。ただし、このがん幹細胞を実際に手に入れて研究するのも困難なのです。だって、そいつはまだ癌になってない。(笑) この記事はiPSの技術でこのがん幹細胞の作成に成功したってことが重要なのです。そもそもiPS細胞は癌化しやすいのが、臨床応用の大きな障害だったのですが、iPS細胞はこういう癌研究に優れた素材を提供してくれる可能性を秘めていたんです。こういうマニアックな細胞は即応用利用しようとしないで研究で利用する方がええと思ってたんだ。うん。

来年、初のiPS細胞治療 9月にも臨床研究申請(産経新聞) - goo ニュース
とかなんとかゆうてるうちに、臨床応用も始まるんですね。加齢黄斑変性という眼病の治療に使うのだそうです。患者さんの皮膚からiPS技術で網膜色素上皮細胞を作り目に移植するんだそうだ。治療開始は来年中頃を目指していて、iPS細胞による世界初の治療となるそうな。GOOD LUCKです。

本日のお酒:SAPPORO 麦とホップ 黒 
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする