「内在性レトロトランスポゾン」は発生初期に特異的に活性化 - 理研など(マイナビニュース) - goo ニュース
さて、レトロトランスポゾン・・・。染色体DNA上に散在するDNA配列で、RNAを転写して自ら発現させた逆転写酵素により再びDNAに戻り、染色体上の別の場所へ入り込みます。見かけ上、そのDNA配列はピョンピョン染色体DNAと飛び跳ねてあっちこっちに転座しているように見えます。可動因子をトランスポゾンといいまして、バーバラ・マクリントック博士がとうもろこしのトランスポゾンでノーベル賞を受賞しましたね。 ね? ね! この転座の時に逆転写酵素を使うからレトロトランスポゾン。
本来、トランスポゾンが元気に飛びまくってる状態はとっても迷惑なので、レトロトランスポゾンはヘテロクロマチン化されてて転写を封じられてます。転写産物が出てこなければ静かなもんなんです。
染色体というのは、DNAにヒストンタンパク質が巻き付いたもんでして、DNAというのはむき出しで放置されてるわけではないんですよ。タンパク質がくっついてて守られてるわけです。この守られ方にもメリハリがありまして、使ってる遺伝子のところは緩くて、使ってない部分はぎゅっと固まりになってます。緩いとこを『ユークロマチン』、ぎゅっとしてるとこを『ヘテロクロマチン』と呼びます。だから、トランスポゾンのあるところはヘテロクロマチン化することで余計な転座を抑えてるわけですね。
やっと本題です。
この本来の体細胞では発現していないはずのレトロトランスポゾンの転写産物(RNA)が、発生初期に特異的に発現していることをマウスの胚を使って突き止められました。受精によりレトロトランスポゾンの発現が活性化し、発生の進捗と共に転写産物は質的量的に変化します。胚細胞ではヘテロクロマチンにもユークロマチンにも属しない「特殊な緩みのある状態」であり、このクロマチンの特殊な状態がレトロトランスポゾンの発現を可能にしていると推定されました。これは面白いですねー。原著を読んでないので分かりませんが、ヒストンのメチル化状態とかを調べたのでしょうか。さらに、このレトロトランスポゾン活性を誘導するのは、マイクロRNA(siRNA)よりもさらに短い17塩基のRNAであったことも示されたそうです。ますます面白くなってきますな。よくもまあ、そんな小さなRNAを検出したもんだ。すごい。
彼らの見つけた「特殊な緩みのある状態」や「短い17塩基のRNA」が、細胞ががん化した時とかiPS化によって体細胞がリセットされた時に起こるであろうへテロクロマチン分布の変化が関係あるのかないのか、いろいろと調べるべき課題を我々に与えたような気がします。
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本来、トランスポゾンが元気に飛びまくってる状態はとっても迷惑なので、レトロトランスポゾンはヘテロクロマチン化されてて転写を封じられてます。転写産物が出てこなければ静かなもんなんです。
染色体というのは、DNAにヒストンタンパク質が巻き付いたもんでして、DNAというのはむき出しで放置されてるわけではないんですよ。タンパク質がくっついてて守られてるわけです。この守られ方にもメリハリがありまして、使ってる遺伝子のところは緩くて、使ってない部分はぎゅっと固まりになってます。緩いとこを『ユークロマチン』、ぎゅっとしてるとこを『ヘテロクロマチン』と呼びます。だから、トランスポゾンのあるところはヘテロクロマチン化することで余計な転座を抑えてるわけですね。
やっと本題です。
この本来の体細胞では発現していないはずのレトロトランスポゾンの転写産物(RNA)が、発生初期に特異的に発現していることをマウスの胚を使って突き止められました。受精によりレトロトランスポゾンの発現が活性化し、発生の進捗と共に転写産物は質的量的に変化します。胚細胞ではヘテロクロマチンにもユークロマチンにも属しない「特殊な緩みのある状態」であり、このクロマチンの特殊な状態がレトロトランスポゾンの発現を可能にしていると推定されました。これは面白いですねー。原著を読んでないので分かりませんが、ヒストンのメチル化状態とかを調べたのでしょうか。さらに、このレトロトランスポゾン活性を誘導するのは、マイクロRNA(siRNA)よりもさらに短い17塩基のRNAであったことも示されたそうです。ますます面白くなってきますな。よくもまあ、そんな小さなRNAを検出したもんだ。すごい。
彼らの見つけた「特殊な緩みのある状態」や「短い17塩基のRNA」が、細胞ががん化した時とかiPS化によって体細胞がリセットされた時に起こるであろうへテロクロマチン分布の変化が関係あるのかないのか、いろいろと調べるべき課題を我々に与えたような気がします。
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