遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

考える余裕ない

2015-03-24 23:55:00 | たわごと
いろいろと書類の処理とか、商売道具の移動とか、順調に進んでいます。耳の調子はイマイチです。NTTとか、銀行とかからのセールスがうるさいんですが、これはどうにかなりませんかね。そんなん考える余裕ないんですよ。

TPP日米実務者協議が再開 自動車分野を議論へ(朝日新聞) - goo ニュース
TPA:米議会で綱引き 農業団体「賛成」 労組「反対」(毎日新聞)
ゴールするのかどうか怪しくなってきたTPPですが、日米実務者協議がワシントンDCでまた始まりました。
ずーっと前から書いてますけど、米国政府が議会からTPAをとらないとどうしようもないです。TPAというのは、『大統領貿易促進権限』で交渉を進める権限を議会から一任してもらう制度やねん。米国はホワイトハウスと議会がねじれてるからそういうのないと、こっちが妥協してもそれが通るかさえわからんのですな。それじゃあかん。毎日新聞の記事のゆうように食肉業界なんかは積極的なんやけど、労働組合は嫌やとゆうてる。まあ、日本は豪州とEPAやったりしてるから、米国の業界は出遅れたくないわけやな。日本人の胃袋なんかたいしたことないと思うんやけど・・・。DCでやってる交渉は自動車関係みたいですが、こっちはアメリカにとってシンボリックなだけのイシューでして、ピックアップトラックの関税を守ったくらいで、アメリカの自動車業界が救われるわけないです。

TPPは多国間の交渉でして、オセアニア勢もうるさいです。
NZは現実的提案を=甘利TPP相(時事通信) - goo ニュース
NZは乳製品を押しまくってるんですが、これを恐れているのは日本よりもカナダとアメリカ。特にカナダの乳製品業界の影響力は強いので、カナダ政府はTPP交渉から一度下りたことがあるくらいです。まあ、どっちかというと日本に「うん」と言わせてカナダとアメリカにプレッシャーかけたいのがNZの本音だと思う。
日本でバター不足が話題になったりしましたが、きちんと自由貿易協定下で輸入できてたらこういうことにならなかったはず。日本の農業者は自分たちを守れといいたいなら、日本の食は責任もって守るべきです。

話し変わって、リー・クワンユー元シンガポール首相の死を悼む論説でいいものを見つけました。同時代に国際政治で活躍した米国政界の重鎮ヘンリー・キッシンジャー氏の回想です。
Henry A. Kissinger: The world will miss Lee Kuan Yew (THE WALL STREET JOURNAL)

キッシンジャー氏とリー氏は45年もの家族ぐるみの付き合いだったそうです。"He did not exhort; he was never emotional; he was not a Cold Warrior; he was a pilgrim in quest of world order and responsible leadership. "「彼は強引でなく、感情的でもなく、東西冷戦の当事者でもなく、まさに世界秩序と責任あるリーダーシップを求める巡礼者だった」という一節は、一国のリーダーに対する最大の賞賛と言えましょう。

てなわけで、台湾の代表がシンガポールでの国葬に出ることを北京の政府がいやがってるようですね。台湾と言えば、李登輝氏もご高齢です。アジア史に輝く二人の「リー氏」が、いずれも小規模国家で交易中心に特化した国家運営で成功したのは偶然ではないでしょう。

本日のお酒:SUNTORY THE PREMIUM MALT'S 香るプレミアム + 立山 特別本醸造
コメント
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