遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

Green Fluorescent Protein

2006-10-08 20:30:04 | BIONEWS
上の写真で緑色に光ってるのは酵母の核小体。GFPという緑色にひかるクラゲのタンパク質を核小体タンパク質に融合して導入して撮った写真です。DNA操作で簡単にできます。先日、癌細胞で増える様に細工したウィルスベクターでこのGFPを導入して癌細胞を光らせるというマウスの実験の記事が出てました。13ヶ所の転移組織で12ヶ所で光って検出できたそうな。臨床応用していいのかどうか、この筋の専門でないのでなんともいえませんが、転移した癌細胞の検出が容易になると外科的にはずいぶん良いことでしょう。

GFPの良いところは細胞を生かしたまま光らせることができることです。たいてい顕微鏡観察のためには細胞を『固定』しなければなりません。『固定』すると細胞死んじゃいます。GFPによって細胞生物学が飛躍的に発展した・・・・のも確かですが、素人の生化学者や遺伝学者も気楽に細胞の顕微鏡観察のデータを出せるようになりました。新しい技術や情報って、得てして専門家にではなく素人に味方するものなのです。ゲノムプロジェクトもそう!遺伝子を分離解析できない人たちに便利な情報を与えてしまいました。俺も便利に使うので、別にいいんですが・・・。

記事のURLは、http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20061003i405.htm

本日のお酒:キリン 秋味
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機械オンチの機械好き(クルマ編2)

2006-10-07 21:06:45 | たわごと
新しい相棒です。よろしくお願いします。

「そろそろ次の車を考えなくちゃ」と思い初めて最初に選んだのはトヨタ・アイシスでした。5ナンバーサイズで荷物がいっぱい入りそうだったから。石川トヨタで応対してくれた営業さんは今年入社したばかりの新人さんだった。印象は良かった。2.0 Lの四輪駆動のプラタナGエディションでざっと290万円。それから、カルディナ、レガシー、フォレスター、ストリーム、エアウェーブ、RAV4と見ていったが、決め手はなくウロウロウロウロ・・・。ほとんどアイシスに決めかけていた。問題は値段。300万円越えたらいやだ。そこで、フォードのエスケープを見にいった(なんで、「そこで」なんかは自分でも良くわからないが)。行ってみるとベテランらしい営業のおじさんが暇そうにしていて「試乗されますか?」というので、生れて初めて新車の試乗とやらをしてみた。それでとても好印象。そのまま帰宅しようとしたが、その日パラグライダースクールのおゆきさんと黄色のフィアット・パンダ4x4がかわいいと話していたのを思い出した。早速、スクールに電話してネットでフィアット取扱店を調べてもらい8号線沿いのヤナセに行った。そしたら、1年落ちの黄色のパンダ4x4が150万円という値札を付けて僕を待っていたではないか!早速、試乗。左ハンドルでマニュアル!運転してて楽しい!!このヤナセは近々ベンツのお店に変わるらしく、その前にとてもこのパンダを売りたがってたんで営業さんも熱心。この後、2週間迷い続けた・・・。パンダなら経済的に助かるが、パワーはないし、荷物も載らない。パラグライダーとスノーボードとスキーの道具を全部載せて、冬に毎週お山に行くことが可能か?とか、1~2年くらいはいいが、長距離運転が苦手なのに4~5年これに乗り続けられるか?とか考えると決められなかった。フォードに行ってエスケープの見積もりを取ってもらうとアイシスと同じ290万円代。どんな車買ってもこれくらいかかるんだろうな・・。パンダに出会わなかったら、エスケープになってただろう。
しかし、エスケープでは燃費やらスタッドレスタイヤやら税金やらで、いろいろと維持費がかかりそう。車にあんまり投資するのはあほらしい。そんなこと考えながらネットで中古車検索してると石川スバルで1年落ちの白いアウトバックを見つけた。車体価格255万円。中古車もやはり見ておこうとスバルに行ってみた。ディーラーに着いて「中古車見せてください」というと、つなぎの作業服に長靴はいた女の子がやって来て案内してくれた。洗車の作業中だったそうな。彼女も今年入社したばかりの営業さん。案内されてアウトバックのコーナーに行くと、平成17年から18年登録の車がごろごろとある。この6月にマイナーチェンジして展示車や試乗車が中古車としていっぱい放出されたそうな。どれもアウトバック特有のシャンパンゴールドだったが一台だけ真っ白。諸経費合わせて27△万円だそうな。んなわけで、これに決めちゃいました。契約の時にさっさとハンコ捺そうとしたら、値切らないのかと聞かれたんで適当に端数を引いてもらった。細かい値段なんぞどうでもよかったんだけど・・・。納車式では花束もらって、社員の方々と記念撮影。彼らのお見送りの中、「中古ですんませーん」と心でわびながらディーラーをあとにしました。

このアウトバック、2.5 LでSOHC。レギュラーガソリン。パワーはもちろんV6 3.0 Lのアバロンに負けます。アクセルを優しく踏まないと気持ち良く加速していってくれません。たった4速しかないのにギアチェンジのタイミングが気に入らないので、スポーツシフトにしてセミマニュアルで運転することが多くなりそう。
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さよならアバロン

2006-10-06 21:24:24 | たわごと
アバロンにお別れしてきました。新しい車が来たんでその文章を書こうと思ってたんですが、アバロンのことを書きたくなりました。公私共によく働き、父を助け家族のためによく働いてくれました。想い出がいっぱいつまってる車です。

アバロンは米国トヨタで作られている車で、カムリの車台にセルシオ並のボディという無茶な構成です。内装はとてもシンプルで高級車の香りがしません。アメ車のいいところだと思います。でかいから高級でなきゃというのは島国日本人の偏見なんですな。たとえ助手席でもアフガンハウンドのエルが楽々乗車できる。それで十分その大きさが役に立ってました。エンジンは3 LでV6。パワフルです。アメリカのインターステートをバンバン走り続けられます。米国ではカムリの一コ上の格付けの車として販売されてるそうな。先日米国で働いてるモンゴル人のKルツ博士が米国ではアバロンいっぱい走ってるといってました。

アバロンくん、今までご苦労様。どうもありがとう。

本日のお酒:SUNTORY PURE MOLT WHISKY 北杜
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泳ぐの大好き2

2006-10-05 22:20:17 | たわごと
子供の時に泳ぎに行ったのは土佐の海か川だった。大阪ではプールに行ったけども泳ぐという感じではなかった。人が多すぎなんだ。小学4年生ぐらいまでは、ちゃんとした泳ぎはできなくて、小学校でどれだけ泳げるか体育でやった時にはほとんど犬かきで泳ぎ続けた。なんぼでも泳ぎ続ける自信があったのでみんなが泳ぎ終わっても泳ぎ続けて注目を浴びたが、犬かきだったので笑われた。僕は平気だったが、母はどこかで聞いてきたんだろう。次の春休みにスイミングスクールの1週間の集中コースに通うことになった。門真か守口へ電車で行ってバスに乗り換えていかなきゃいけなかったから気が進まなかったが泳ぎは好きだった。ちゃんとクロールを教えてもらえたし、ビート板もいろんな性能のものがあって楽しかった。泳げる子達の競泳コースはいかずに、その一つ下のコースで女の子2人と僕しかいないグループだった。僕はすぐにクロールできるようになったので先生はなんで競泳コースに行かなかったのかと僕に聞いたが、へへへと笑ってごまかした。犬かきしかできなかったなんて言えないよ。
春休みにスクールに通った年の夏からクロールで25 mを19秒切って泳ぎ、池田小学校で僕より速く泳げる子はいなくなった。当時、隣の西小学校にF井慎一くんという平泳ぎのメチャメチャ速い子がいて彼がライバルと思ってた。僕は平泳ぎも速かったが彼には勝てなかったから。6年生になるとボーイスカウトで彼と同じ班になっていい友達になる。中学1年生でクラブ活動を選ぶ時にほとんど水泳部に行こうと思ってたが、F井くんはなんと柔道部に入った。これで僕は何でも良くなってボーイスカウトの同じ班の先輩、水泳部の高Sくんとバスケットボール部の井手Gくんにジャンケンをしてもらって決めることにした。結果は井手Gくんの勝ち。そんなわけでバスケット部に入部。寝屋川市立第二中学校水泳部は池田小学校と西小学校のエースをとれなかったのだ。(笑)

今日も金沢市総合プールで泳いできました。今も平泳ぎの時はF井くんと勝負しているんですよ。もう絶対に勝つことはないですがね・・・。

本日のお酒:キリン ブラウマイスター
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ノーベル化学賞

2006-10-04 23:16:49 | BIONEWS
ロジャー・コーンバーグ博士が受賞しました。単独受賞です。酵母のガラストース代謝系遺伝子の発現制御の研究が受賞理由なら、僕のO大時代の恩師O嶋先生やMITのマーク・プタッシュン博士やジム・ホッパー博士もとらなきゃ嘘ですが、ロジャー・コーンバーグ博士は基本的な転写のメカニズムに突っ込んでいったので、ガラクトース系の制御にとどまった研究者は受賞対象にならなかったのでしょう。
僕もガラクトース系を少し研究していたのですよ。テキサス大時代のボス、ステファン・ジョンストンはジム・ホッパー博士の研究室でガラクトース系の研究に出会いました。そこで働いていた時にジョンストン研究室の大学院生だったドイツ人のキキちゃんは、博士号取得後ロジャー・コーンバーグ博士の研究室にポスドクとして雇われてダラスを去ったのでした。その後、彼女の論文を著者検索で見つけることができません。
「ドクターとったら、ドイツにかえるの?」と彼女に聞いた時、「ドイツには絶対帰らないっ!」と、とても強い口調で答えたことを今も覚えています。米国で博士をとっても人脈もなく欧州で良いポジションをとることはとても難しいと聞いていましたが、そういうことだったのでしょうか・・・何か帰りたくない事情があったんでしょうか・・・。フランクフルト大を出てから米国に渡った同僚のカーステンは今フランクフルト大に戻って自分の研究室を持っています。

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ロジャー・コーンバーグ博士の父、アーサー・コーンバーグ博士もDNA複製の先駆的研究でノーベル賞を受賞しています。O大時代の同級生で友人でライバルで天敵で目標で理解者で駄洒落王の小川君がアーサー・コーンバーグ博士の研究室に留学しました。もうアーサーの研究室を出ましたが、今も米国で頑張ってるはずです。余談ですが、僕の人生が大きく変る節目に必ず『小川』姓の人間が登場します。今も出てきてるんですが、ジョーカーなのか落とし穴なのか地雷なのか目前を横切る黒猫なのか切れちゃったゲタの鼻緒なのか絡んだラインなのか初の人畜無害な『小川』なのかよく分かりません。なんだか分かりませんが、最初に会った時に「あーこれで金沢での生活も終わるのか」と勝手に思ったのです。

何にも起こりませんようーにっ!(-人-)

本日のお酒:アサヒ プレミアムビール 富士山
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ピュアモルト

2006-10-03 22:00:27 | 
久しぶりにウィスキーを買ってきました。サントリーの北杜です。サントリー独特のドライな芳香にホワイトオークの味わい。別にピュアモルトである必要はなくて、グレインをブレンドしていいから美味しい上質なものを作ってくれればよいのですが、モルトだけでモルトの主張を抑えてサントリーらしく仕上げたウィスキーです。でも、もう少しマイルドな方が好きだなぁ。

ウィスキーにはスコッチタイプとアメリカンタイプがあります。アメリカンタイプの主なものはバーボンですが、他にテネシー・ウィスキーがあります。バーボンを名乗っていいのはケンタッキー産だけ。
スコッチタイプにはスコッチ以外に世界に何種類かあります。アイリッシュ、ニュージーランド、ジャパニーズ・・・。緯度がスコットランドよりも北で作られるウィスキーは50度以上です。アイリッシュがそうです。スコットランド以南は40度程度。スコッチはそこより北へ出荷するか南へ出荷するかで違うみたい。実際はどうなのか知りませんが・・・。
ニュージーランドのウィスキーは美味しいですよ。ジャパニーズ・ウィスキーもなかなか油断ならないんですよ。サントリーもニッカもかなりいいものを出しています。

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ちなみに、上の写真はカリフォルニアのワイナリーで撮った写真です。ウィスキーのお話とはまったく関係ありマせーん。

本日のお酒:SUNTORY PURE MOLT WHISKY HOKUTO 12 YEARS
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秋の学食

2006-10-02 19:33:55 | 大学生活
10月がスタートしました。学生食堂はコロッケバイキングフェアとマツタケご飯です。はっきり言ってコロッケはたいしたことないんですが・・・マツタケご飯は美味い。毎年この時期幸せな気分にしてくれます。いろんな大学の学食で食べましたが、金沢大はけっして悪くないですよ。ただ、食堂がボロで食器が貧相なだけでーす♪
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グアニン四重鎖構造

2006-10-01 19:19:16 | たわごと
9月29日のエントリーで貼った図はDNAのグアニン四重鎖構造の模式図で、けっして怪しい図ではありませんので自由に閲覧してくださってけっこうでございます。ずいぶん昔に学会発表で使ってた図です。なんでこんなこと書くかというと、今日『れ』さんに会ったときにこれは見てはいけない図だと思って思わずウィンドウを閉じたと聞いたからっす。

グアニン四重鎖というのは組み替えの中間体やテロメアでできる構造として提唱されていましたが、細胞内でこれができていることを証明した人はまだいないと思います。いるのかな?テロメアの構造は電子顕微鏡でD-loop-T-loop構造をとってわっかになってるということが示されましたが、これは間期の構造だと思っています。合成期にはほどけるはず。染色体は線状構造なので端っこは断裂点でありますから二重鎖切断修復系のタンパク質群がくっついています。しかし、修復してしまったら染色体が別の染色体とくっついたり、それそのもので環状化したりするので修復系タンパク質群はくっついているのに修復しないというややこしい状況に置かれています。あるDNA組み替えの専門家が始めてD-loop-T-loop構造を見たときに「これこそ組み替えの中間構造だ」と言ったとか聞きましたが、きっとそうなんでしょうね。
「染色体複製の末端問題」として、複製に連れて短小化していくことが上げられ、テロメラーゼの存在が予言されましたが、僕はRNAプライマーの分だけ複製してできる1対の姉妹染色分体の長さがそろわなくなることも「染色体複製の末端問題」だと思っています。3'側と5'側を鋳型にしたときにでき上がる末端の長さがそろわないのです。テロメアはリピート配列なのである程度はそろわなくてもいいかもしれませんが、あまりにちぐはぐだと進化的に問題でしょう。それをそろえるのもテロメラーゼの役割ではないかと思っています。そろえるにはC-rich鎖が消化されて露出したG-rich鎖を束ねると物理的に長さをそろえやすくなります。そのためにグアニン四重鎖構造がとられるのではと想像しています。この構造は物理化学的に非常に安定で90℃くらいに熱さないと解けないそうです。生体内ではありえない温度ですから酵素でほどきます。その酵素がRecQ型ヘリカーゼです。テロメアが組み替えで伸長されるときにRecQ型ヘリカーゼが必要なのはテロメアの複製中間体の処理にこの酵素がいるからではないでしょうか。

こんな想像を公式な場で言えないので、こういうブログで自由に書かせてもらいました。僕が想像してたことが後に間違ってたことなんていくらでもありますから、軽くスルーしてくださいね。さて、上の仮説を確かめるにはどんな実験が必要かな?

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今日貼った写真は6月の学会で訪れた京都の街で撮ったものです。白黒フィルムで撮ったものをスキャナーでネガから取り込みました。たまにアナログな写真を撮ると楽しいですね。
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