ザ・マイケルブログ!

Hello、皆さん、陰謀論者リチャードコシミズの無害化に成功したので、現在は司法の闇と闘ってます。応援よろしくです!

♒ トランプ退場で見えてきた<陰謀論者の時代>の終り

2021-01-30 00:21:14 | リチャードコシミズ

 

 

 



 2021年1月20日、ドナルド・トランプ大統領が表舞台から消えた。
 去年の師走にはじまった「水瓶座時代(アクアリアン・エイジ)」の前祝いのように、ドナルド・トランプは消えた。
 最後までなんとも踏ん切りのわるい男だった。
 マッカーサーの有名な決め台詞 <I Shall Return> を残して、彼は去った。
 大統領というよりは、ハリウッド映画のなかの役者みたいな見え切りだった。
 支持者に対してじゃなく、ファンにむけてリップサービスしていったような、弱々しい野心と未練とを残して、彼は去った。
 たぶん永遠に ――― 世界がそれを目撃した。

 トランプにもはや復活の目はない。
 そんなことは現代に生きている普通人なら誰でも分かることだ。
 彼は民主主義に弓を引いた男である。
 数々の Twitter 発言で「Q」系の信奉者を煽り、死者を出すほどの悲惨な暴動を招いた男ではないか。
 しかも、彼は、現職の大統領であるうちに、これをやったのだ。
 アメリカ議会初の、異例の大統領への弾効2回という事実がこれを証明している。
 いわば、これは、ニクソン時代のあのウォーターゲート事件なんぞ物の数にも入らないレベルの悪行であり犯罪なのだ。
 ドナルド・トランプは「アメリカンドリーム」に対して唾をかけたのだ。
 まともなアメリカ人がこの異常な事件に対してどれほどショックを受け、苦しんでいるのか、考えてみてほしい。
 フロリダの別荘に到着した彼は、ゴルフを楽しみながら今だに「パトリオット党」を立ちあげる、とかなんとかいっているらしいが、愚にもつかない夢物語をぶつのもいい加減にしてほしい、と強くいいたい。

 



 しかし、ここまで事態が進んでいるというのに、まだ分からないひとがいる。
 世界がこれほどまでの拒否と嫌悪を示しているのに、いまだトランプを救世主として崇めつづけているひとがいる。
 しかも、多数である。これには僕もたまげた。具体例をあげよう。

 ネットジャーナリストのリチャードコシミズ ―――
 学問道場の副島隆彦氏及びその他の陰謀論者 ―――
 彼等の言説にたむろする、多くの支持者、同調者、賛美者たち ―――
 Twitter でアカウントを失ったのに、新アカウントで復活し Q 的言説を再度語り、トランプ大逆転への夢を紡ぎつづけるネット上のあまたの Q
星人たち ―――

 現実把握能力がないのか?
 もしくは見ないで済ましたい現実を封鎖するために、あえてこれらの陰謀論密室を利用しているのか?

 幸い2チャンネル創始者のひろゆき氏が、先日、自身が出演されたTV番組から面白い動画を挙げてくれた。
 ここにはあの @okabaeri9111=よかとよさんとも懇意にしていた「 J 」氏という Q の代表者の方がリモート出演している。
 この「J」氏と番組登場の初端から怒り狂っていた米人のネルソン・ドビンコイ氏との絡みは極上につき、是非にもご覧いただきたい。

 
            

 

 さっぱり話が噛みあわない彼等の会話は一見喜劇だが、僕はこれを見て考えこんでしまった。
 この「J」氏というのが、僕がこれまでぶつかってきたリチャードコシミズ独立党の面々とあまりにも似すぎていたからだ。
 キャラ被りといっただけじゃとても足りない。クリソツといってもいい。

 1.自分の喋りたいことだけ喋り、相手の質問には返答しない点…。
 2.自分に都合のわるい、独立党党首の行った実質的な詐欺事件について問うても、4年間いかなる返答も返さない点…。
 3.自分たちを批判する人間を「工作員」「シュブチュー」「保険金殺人犯」というくせに、自分たちへの批判は一切認めない点…。


 まるで駄々をこねている子供と応答するような ――― 番組内でも「まるで子供」というキーワードは何回も使われていた ――― この独特の呼吸にはたしかに覚えがあった。

 そう、陰謀論者を読み解く鍵は「子供」だった。「幼児性」こそが彼等のキーワードだったのだ。

 ここから僕が展開しようとしているのはあくまで「仮説」である。
 現実のRK独立党の関係者がそうであるといっているわけではない。
 連邦議会暴徒襲撃というあの歴史的事件を見すえたうえで、なおもドナルド・トランプの英雄論を手放さない陰謀論者一般に対して感じた強烈な違和感、「反社会性」というよりは「非社会性」といった低位置まで落ちこんで見える、彼等の危うい立ち位置に対して、僕が感じた諸々の疑問点を自分なりに整頓しなおしてみたものである。
 僕は本職の心理学者ではないし、稚拙な読みも、些末な意見を拡大しすぎている一面もあるかもしれない。
 僕の感じている彼等への危機感といった要素も、僕が拡大解釈しすぎていて、実際にはそれほど大したことではなかったという可能性も充分ありうる。
 しかし、この「仮説」を適用するならば、彼等がどうしてこうまで現実を否認するのか、否認して、自分たちの正当性をバックアップしてくれるカルトな陰謀論内に居住しなければいけないのか、などの説明がきっちしとつくのである。
 では、以下にその「マイケル仮説」をいよいよ展開してみることにしよう ―――


     <神経発達障害的気質者と陰謀論者との因果な関係>

 最初にいっておく。これは誹謗中傷の類いではなく、あくまでロジカルな心理学的アングルからの一考察である。
 反論があるなら、この「仮説」と対峙すべく、新しい視点でもって、このマイケル仮説を切り崩してみてほしい。
 そのような反論であるのなら、むしろ僕としても大歓迎だ。

 僕がこの「J」氏の動画を見て、いちばん最初に共感したのは、番組の出演者たちが苦虫を噛みつぶしたように総じていっていた「幼児性」といったものに関してであった。
 しかし、そこから次に連想されたのは、心理学の世界で囁かれている、いわゆる「発達障害」という症状のことだった。
 僕は以前から「発達障害」に関することには興味があった。
 なぜなら、いまも付きあっている友人のなかに、これらの症状と闘っているひとを実際に2人知っていたからだ。
 そのうちのひとりの実母とは電話で相談事を受けたこともある。
 つまり、このことは僕にとって他人事ではなかったのだ。

 10年前は耳慣れない言葉だったこの「発達障害」という言葉も、ここ最近ではだいぶ時代に馴染んできた感がある。
 ただ、アメリカの精神医学会はさらに進化をつづけていて、2013年、従来「発達障害」と呼称されていたこの疾患が、アメリカ精神医学会のDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第五版)によって、「神経発達障害」(Neurodevelopmental Disorder)と呼称が変えられたことまで知っているひとは、本職以外にはまだ少ないのではないだろうか。

 そのようにアンテナを立てていた僕の耳元に、今回まっすぐに投げこまれてきた単語が、このひろゆき氏の番組で出演者らが口にした「子供」=「幼児性」(注:幼児性への連想は僕のものであった)というものだったのだ。
 僕はこの言葉に打たれた。
 そして、この言葉の響きのうちに新たに見えてきたのが「発達障害」、最新の用語に照らし合わせれば「神経発達障害」という単語だったのである。
 陰謀論者すべてがこの単語枠内に収められるといったような意味では、もちろんない。
 けれども、世界的に認められた「事実」にこうまで背をむけ、トランプの英雄性を 120% 信じきり、自分たちの信じる世界観通りに世界の動向を認識するのだ、世間の動向なんぞ知ったことか、というこの傲岸不遜な一方通行の意思に、僕はなにやら非常に不穏な気配を感じた。
 しかし、それにしてもそれは、理論武装した一部左翼などの張りつめた窒息間とはちがっていて、やっぱりどこか幼い感じの、いかにも日本の中産階級らしい安逸さ
を漂わせた、どことなく人のよさが香ってくるような言説が多かった。
 彼等の共通の敵である「ディープステイト」について「私たちは負けない!」と肩をいからせる仕草も、なんというかみんな幼稚園の発表会の舞台上で、勧善懲悪の演劇を上演している、といった風情の妙な可愛げが感じられたのである。
 
 まじめでいい子な園児たちが勧善懲悪の正義のドラマを懸命に演じている ――― というのが、僕の Q に関する感想のすべてだ。

 連邦議会の乱入した暴徒らの動画を見ても、ほかの暴動の動画などとは熱狂のノリがやはりちがっていて、議会の連中を皆殺しにしてやろうだとか、そのような自暴自棄で凶暴なエネルギーはあの乱入動画内に充満してはいない。
 連邦議会に乱入したトランプ支持者たちは、議会内の上等な椅子に腰かけた自分を自撮りしたり、ポーズを決めてそれぞれの写真を撮りあったりもしている。
 暴徒は暴徒かもしれないが、なんだか呑気な暴徒ではないか。
 Nwesweek は彼等のことを「夢の国の住人たち」と呼んだ。
 至言だと思う。
 彼等トランプ支持者は、現実の連邦議会に乱入したのではなくて、彼等共同の空想世界に歓喜しながら飛びこんだのだ。
 この末世にはほとんど不可能である、勧善懲悪の、素朴で分かりやすい彼等だけの「正義のエデン」に ――― .
 
 それを何より象徴しているのが、連邦議会襲撃で一躍ヒーローになった「Qanon の祈祷師」こと、J.A.チャンスリー氏だろう。
 赤、青、白でペインティングした顔と野牛の被り物、2mをこえる長槍を手にした彼の様相は、およそ実戦的な装いじゃない。
 人相にしても荒んだ感じはあまり見受けられない。
 人柄だって、そう悪くもなさそうな印象だ。

 

 これはもう完全に僕の独断なのだけど、僕は、彼チャンスリー氏というキャラを、あらゆる Q のなかでの完全な中庸、全ての陰謀論者のなかでの完璧な平均値を体現した人物として捉えたい。
 すなわち、極悪人間じゃないのだ。
 かといって、理知がむちゃくちゃに切れるとかいったインテリタイプでもない。
 どちらといえば夢見がちの、ひとのいい、のんびりした平凡なタイプなのかもしれない。
 平凡なタイプこそ個性の演出にこだわるものだから ――― ひろゆきさんとTV出演した Q の「J」氏もたぶんその範疇だろう。

 そう、彼等は、基本的に目立たない、大人しいひとたちなのだ。
 自分のいまいる場所においても、各々の職場においても、恐らく「冴えたひと」として扱われたことなんてないのだろう。
 もちろん、自分を社会にむかって訴えかけたい欲求はそれなりにあるのだろうけど。
 けれども、彼等にはその手段がなかった。
 彼等は、そういう夢は叶わないものとして、人生なんてそんなものだと諦めてこれまでずっと生きてきた。
 趣味の分野で目立とうにも自分より知識も技量も上の存在がいっぱいいる。
 仕事は目一杯やってるつもりなんだけど、同僚も上司も自分を認めているのかいないのかすら分からない。
 政治的にもどちらかといえばノンポリだし ――― 懐かしいな、この言葉は! ――― 当意即妙に言葉を操るセンスなどにもあまり恵まれていない。これといった自分の意見もないし、社交も苦手だ。
 でも、彼等はいいたかったのだ。
 俺は空気じゃない ―― 。
 あたしは誰でもないひとじゃない、ちゃんとここにいて、存在してるのよ ――― と。

 そんなとき、彼等が出会ったのがいわゆる陰謀論 ――― リチャードコシミズやら副島隆彦氏やら Qanon やらの陰謀論であったのだ、と僕は解きたい。

 陰謀論は安易なツールである。
 誰でも先輩陰謀論者の文章の外ヅラを真似てみるだけで書きこみなんてやれるし、twitter や ブログの匿名の書きこみからでも参加できる。
 おまけに、思想も知識も勉強も調査も裏取りも、一切必要ない。
 つまり、面倒じゃない。怠けててもやれる。
 寝転んでポテチをつまみながら、他人の文章や記事をPCで切り貼りしているだけで、自分が「ディープステイト」や「裏社会」と闘っているという白日夢に浸ることができる。
 ダメな自分をダメじゃない人間として思いこむことができる。

 陰謀論は安易なツールである。
 そして、同時にこれは逃避のためのツールでもある。
 これにいちばん似ているのは、ビール全盛以前のドイツの労働者間で流行った「ジン地獄」ではないか、と僕は思う。
 日常の労苦を癒し辛さを忘れさせるためのジンが、いつのまにやらジン愛飲家の本人や家族を蝕む毒になった。
 この事態は「夢物語」に溺れて連邦議会に雪崩こんだトランプ支持者たちに、どこか似てはいないか。

 アメリカに Q の思想が行き渡るより20年もまえに、この火酒を日本で売りはじめた男がいる。
 もちろん、これは 陰謀論者の先駆であったリチャードコシミズ のことである。
 彼はアメリカに Q が蔓延するはるか以前に、ネットという新しいツールで陰謀論を売ることをはじめた。
 社会の不安は彼の飯の種であった。
 911、311の大事件や災害が起こるたびに、彼ブログのアクセス数は伸び、全盛時には2億にまで達した。
 彼は恒常的な全国講演をはじめ、都内や大都市で行う講演会には、なんの宣伝もしていないのに 200人 にも及ぶ観客が集まった。
 リチャードコシミズには先見の妙があった。
 ドナルド・トランプが twitter  を用いてやったことを、リチャードコシミズはその 20年も前にすでに行っていたのである。
 もっとも、それは全世界を対象にそれを行ったドナルド・トランプの、何十億分の一ほどの規模のものではあったのだけれど。






 リチャードコシミズの全盛のときは短かった。
 しかし、彼の血脈は彼の弟子筋に受け継がれた。
 彼の独立党から巣立ったうちのひとりが、Q の翻訳者として米国本国でも有名になった Eri 、 @okabaeri9111 である。
 彼女の独立党時代のハンドルネームは「よかとよ」であった。
 もうひとりは国民主権党なる団体を立上げ、「都知事選」に参戦し、コロナの第三波のただなかで「クラスターライブ」なるイベントを行い、先日住居不退去で逮捕された 平塚正幸 である。
 彼の独立党時代のハンドルネームは「サユフラットマウンド」であった。
 今回の連邦議会の事件で Eri は 8万フォロワーを越えていた求心アカウントを失い、新しく取ったアカウントも他の Q 支持者の 7 万人と一緒に消去された。彼女の復活は不可能だろう。

 



 
 
 
  Qanon のダンスをしばし踊って消えていった Eri (よかとよ)――― それから、いまだにドナルド・トランプを擁護しその復活を夢見つづける相当数の陰謀論者たち ――― 彼等は一見「反社会的」なひとたちに見えるがちがう、彼等は、そうした一般の物差しで測定可能な空間と外れた位相に居住する「非社会的」なひとたちなのだ。

 そう、彼等もまた Newsweek がいった「夢の国の住人たち」なのである。

 彼等が居住しているのは、あらゆる人間らの複雑な利害関係が絡みあった、隣人の善意と悪意との区分も見分けるのが難しいような、こちらがわの現世ではない。
 彼等の居住する「陰謀論内 α 空間」は、あの Qの祈祷師である J.A.チャンスリー氏が体現していたように、思いのほか素朴で暮らしやすい彼岸空間なのである。
 それは、いってみるならユートピアのような場所と呼んでもいいのかもしれない。
 この人工的なエデンに居住してさえいれば、現世での気苦労や迷いからは解放されるのである ――― 誰が善で誰が悪なのか、自分で考えて悩む必要も一切なくなる。ややこしいことはもうなし。悪玉は各々の預言者の通達により「ディープステイト」やら「裏社会」やら「世界権力」やらにあらかじめ規定されているのだから。
 この構造は中世のカトリックの支配形態によく似ている。
 当時の教会は、現世の信者たちに聖書を読む権利を与えなかった。その代わりに教会が彼等に与えたものは、子供でも理解できるような、素朴で単純な「神話」なのであった。
 
――― 迷える憐れな子羊たちよ、聴きなさい…。この世は多くの悪に満ちています。神との闘いに敗れたサタンはいまだに神のしもべである私たちを憎み、私たちの世界をも憎んでいる。サタンは銀行家や貴族や大富豪たちを使い、神によって平等に分配されたあなたがたの血と汗の結晶であるところの富を、毎日のように搾取し続けている。不当に掠め取っているのです。だから、あなたがたはこんなにも貧しい…。働いても働いても豊かになれない…。けれども、聴きなさい、子羊たちよ、悪いのはあなたがたではない、悪いのはサタンの使用人であるところの銀行家であり商人たちなのです。そして、そのような悪の仕組を隠蔽する役を与えられているのが、多くの政治家であり、あるいは新聞屋たちであるのです…。彼等の甘言に騙されてはなりません。あなたがたはこれらの悪魔の計略を見抜き、それを暴かなくてはいけない…。これは辛くて長い闘いです。はっきり申しあげておきますが、サタンの軍勢は強いのです。いまでもモーゼの時代からのカを失っていないのです。ですから辛抱してください。心破れてはなりません。諦めてはいけません。それぞれの忍苦を手放してはいけません。そうすればわたしたちの破れかけた憐れなばらばらの心にも、神の恩寵であるところの光がいつか必ず差してくるのですから……。

 多くの陰謀論の骨子などというものは、上記の8行にほぼ集約できるほどのものなのだ。
 ここで使った「サタン」や「悪魔」なる時代ずれした物々しい単語を「ディープステイト」「裏社会」といい代えれば、ねえ、もうそのまま誰かさんの陰謀論ができあがる(笑)

 そう、こんなのは世界中で千年以上にわたって使われつづけた、古い定石の手口でしかないのである。
 問題はそこにはない。陰謀論の正体を暴くことなんかに今更興味はない。
 それよりも問題にしなければいけないのは、いまこのとき、Q に象徴されるそのような陰謀論を奉ずる人間がこれほど多く集まって、彼等の一部が実際に米国の連邦議会に暴徒として雪崩れこんだという事実のほうだ。

 なぜ、こんなことになったのだろう?

 ここまできてやっと僕のいいたかった部分まで辿りついた。
 僕は、現在僕等が暮らすいまの時代そのものが、先にいった神経発達障害の疾病にかかっている、と思うのである。
 ちなみに神経発達障害というのは具体的な病名ではない。
 神経発達障害とは、いわゆる自閉症障害、アスペルガー障害、小児期崩壊性障害、レット障害、特定不能の広汎性発達障害などといった5つの下位分類に分けられていた諸症状を、自閉的な特徴が連続して分布している状態と捉えなおし、2013年よりカテゴライズされたこれら一連の症状の総称としての呼称なのだ。
 最近発達の著しいゲノム(遺伝情報)研究、それによる精神医学全般が受けた影響と変化、そういった部分にもむろん興味を引かれたが、とりわけ僕が心惹かれたのは、米国のマーカス・ライチェルらが 2001年にはじめた、作業をしていないときの脳、安静休息時の、集中していない時間帯の脳の活動分野についての研究であった。

 ファンクショナルMRI(fMRI)で観察して、彼女らのチームは、目標志向活動といったなんらかの集中活動をしているときには沈静化していて、安静休息時にアクティブに活動する脳の領域を見つけたのだ。しかも、この領域は脳全体が消費するエネルギーの 60~80 % の膨大なエネルギーを消費していた。それに対してアクティブ活動時のエネルギー消費量は、たったの 5 % 以下という数字であった。 
 安静時にアクティブな活動を見せるこの特定の脳領域は、DMN( Task-Negative-Networks )と呼ばれている。
 この部位は、内省的な思考や想像、記憶を喚起する脳部位として考えられている。
 そして、これと反対の行動する際に動員される脳部位は、TPNs( Task-Positive-Networks ) と呼ばれている。
 
 通常の人間の活動パターンでは、なにか行動を起こしたりする場合は、このDMNとTPMsとの切り替えが当然行われる。
 しかし、その特定の個人が神経発達障害系の傾向をもっている場合、この切り替えがうまく行えないケースが多くなる。
 すなわち、行動を起こさなくてはいけない場面で、本来用いなければならない活動脳ではなく、休息時の安静脳を用いてしまうのである。

 Newsweek の名言「夢の国の住人たち」という例のフレーズが、この医学文書を読んでいるときの僕にリンクした。

――― ああ、なんだ…。じゃあ、彼等は実際にあの連邦議会に侵入したとき、動きながらも夢を見ていたわけか…。

 この知見は新しかった。
 それまでの僕はこのような「夢の国の住人たち」をつくりだしてきた咎を、ドナルド・トランプ個人の洗脳責任みたいな分野にしか置いていなかったのである。
 たしかに洗脳という側面はあったと思う。集団による群集心理の相乗効果だって相当あったろう。
 けれども、事実はそうではなかったとしたら?
 もっと深い部分での脳のスイッチの切り替えが、僕等を含めた現代の人間すべてが、今、うまくやれなくなってきているとしたら?

 僕がここで提言したいのはこうだ。

 
ここ最近の情報メディアの超・発達に、明らかに僕等・現代人は適応しきれていないのではないか。
 テクノロジーは爆発的に進化したが、人間のゲノムのほうは1万世代前の初期人類の設計から、これっぽちも進化などしていないのである。
 当時の人間が一生において出会う他人は、200 ~ 1000 人程度でしかなかった。
 平均寿命だって 30歳がせいぜいだ。
 コミュニケーションに使える時間だって少なかった。なにしろ彼等の全人生の 99% の時間は、狩猟と採集と睡眠とに使われてきたのだから。
 
 しかし、スマホ利用者なら誰でも承諾してもらえると思うが、まる1日か2日、スマホを散漫といじっているだけで、その程度の人数の他人とは簡単にコミュニケートできてしまう。
 50年前には雲の上の存在だった大統領が twitter で気楽に Hello と直接語りかけてくるほどの時代である。
 並々とコップに注がれた水がいままさにコップの縁からこぼれだしそうな情報多過だ。
 ホワイトアウト! 四方八方を情報の猛吹雪に囲まれて、僕等はもう失速寸前だ。
 吹雪かれた遭難者がまず失うのは平行感覚と地理感覚だ。
 上下の感覚も左右の感覚も 10分もするとなにひとつ分からなくなる。
 この白い無感覚地獄からの脱出口を探して、自分なりの舟を作ろうとするひとの気持ちは分かりすぎるくらい分かる。
 でも、ひとつだけ質問したい。
 その舟は本当にこの吹雪向こうの現世に到達できるの?
 あなたの舟は本当に自分の手でつくったリアル世界のものなの?
 たしかにそれは現実の舟らしく見えるけど、本当はちがっていて、液晶に映っているだけの電子の舟なんじゃないの ――― ?
 
 神経発達障害の主な特徴として以下の症例が多くいわれている。

 1.神経過敏。なんでもない光と音がときとして自我を圧迫するほどの圧力として感じられる。
 2.童話のような白黒二元論に現実世界を還元したがる。複雑でファジーな現実の把握は苦手。
 3.言葉をデジタル的に解釈し、その裏にこめられている真意を斟酌しない。要するに空気を読まない。あるいは読めない。
 4.他人目線がない。というよりそういった視点がそもそも最初からない。当然会話は苦手。社交もきつい。
 4.フラッシュバック。トラウマになるような酷い記憶が、時の浸食を受けない当時そのままの形で何度でも蘇る。

 陰謀論者全般と神経発達障害といったものとを結びつけるつもりでこの記事を書きはじめたのだが、進めるうちにとてもそんな悠長なことをいっていられないことに気づいた。
 連邦議会に暴徒として訪れたときの Q の連中は、なるほど、「夢の国の住人たち」だったのかもしれない。
 大きいナリをした夢見がちな子供として、ちょっと尖ったピクニックみたいに、やっていて案外楽しかったのかもしれない。
 でも、それをいうなら 2017年の4月2日、西池袋公園のリチャードコシミズ独立党の 30人からなる花見の席に仲間5人で訪れたとき、僕自身も正直ちょっと尖ったピクニック気分だったのだ。
 ひとのことはいえない。彼等があのとき神経発達障害の症状を見せていたなら、僕だってそうだ。
 というより、そもそも神経発達障害というのは総称なのだ。
 誰の心のなかにもそれの萌芽は存在している。
 幼児のときにそれを克服できるひともいれば、成人してからそれの萌芽がいきなり花咲くパターンのひともいる。
 ゲノム分析によると、神経発達障害と統合失調症状のゲノムには共通項が多いらしい。
 生涯、そのうちのどちらも発症しないひともいれば、幼年期から神経発達障害の症状が現れてくるひともいる。
 神経発達障害の症状のまま生涯を全うできるひともいるし、途中から運わるく統失のほうまで発症してしまうひともいる。
 楽な人生なんかどこにもない。
 働きづくめの人生もきついだろうが、まったく働かない人生というのもそれなりにきついものだろう。
 最近のリチャードコシミズを見ていてもそのことはいえると思う。

 今回は珍しくリチャードコシミズが主役ではなく、副次的な遠景としてしか登場しない記事となった。
 いろいろいったけど、陰謀論が害悪だというのはもはや世界の定理に近いものになったから、彼等の今後が相当にきついものになるだろうことはもう間違いない。
 陰謀論の時代はこれで終わった、と僕は思っているし、たぶん世間のひとたちもそうだろう。
 陰謀論を語る多くのひとも自身の心の内ではそう思っている気がする。
 陰謀論を身内のみで語りあっているならいい、それならば「言論の自由」の許容内だ。
 しかし、陰謀論はもはやその矩を越えてしまった。
 ドナルド・トランプと Q の蛮行がすべてを変え、世界がいよいよそのやぶにらみの巨大な瞳を陰謀論者各々に向けはじめたのだ。
 陰謀論者の安楽な幼少期はこれにて終わった。
 これからはじまるのは陰謀論の受難の歴史である。
 だから、Change ! 偽預言者の皆さんも BUG の人たちもいい加減モードを切り替えましょうや、新しい風の吹く新しい時代にむけて。
 本日の僕の記事は以上です ――― お休みなさい。


 P.S. 自分が発達障害であると勇気をもって告ってくれた2人の親しい友人に、この長い記事を捧げます。







  

付録 ☆リチャードコシミズ通報案内

  ----------------

  From: @niftyカスタマーサービスデスク <csdesk@nifty.com>

  Date: Mon, 28 Dec 2020 15:11:30 +0900

  To: 〇〇〇〇〇〇〇

  Subject: ご連絡の件について  [044494137]

 

  〇〇 様

 

  以下の日時に権利侵害フォームよりご連絡いただいた件について回答いたしま

  す。

 

   ----------------------------------------------------------

   2020:12:04:19:05:20

   ----------------------------------------------------------

 

  このたび、弊社会員の開設するココログ(ブログ)に掲載された情報について

  削除のお申立をいただいておりましたが、当窓口より開設者に対して、削除の

  申立を受けている旨の連絡を行ったところ、開設者が自主的に削除を行いまし

  た。

 

                                  ニフティ株式会社 権利侵害担当窓口 〇〇

                                [KNRI]

  ======================================================================

  ■情報流通により権利が侵害された場合の申し立て


  https://www.nifty.com/support/madoguchi/form_inform.htm

  ======================================================================

 

  >----------------------- Original Message -----------------------

  > 【送信日時】

  > 2020:12:04:19:05:20

  >

  > 【権利侵害にあたると思われる当社サービス】

  > http://richardthekoshimizu.cocolog-nifty.com/blog/2020/12/post-1d1ad6.html

  >

  > 【権利侵害情報】

  > ~横浜市の〇〇〇さん、注文をお断りしました。老人介護士施設でのHKKSJNでお忙しいでしょうから、私の本など読まなくて結構。w(原文ママ)

  >

  > 【名誉毀損などの根拠】

  > 本を注文しただけなのに本名と職業を晒された。しかもHKKSJNとは彼等内隠語では保険金殺人の意味である。これはプライバシーの侵害であり、私は訴訟も考えています。

  >

  > 【申立者の氏名開示についての了承】

  > 以下の事項を了承します。

  > ※空欄の場合は「了承しない」です

  >

  > 【発信者へ申し立て内容を開示することについての了承】

  > 以下の事項を了承の上、送信します。

  >

  > 【フォームタイトル】

  > 権利侵害(個人の権利が侵害された場合)

  >

  > 【設定コード】

  > KNRI_notmember

  > NYH-KENRI

 

Unknown (百軒) 2020-12-26 17:37:24
コシミズ大将は、今後は下記で配信予定とのことです。

>>テロリストyoutubeから、twitcastに移動して、今後はライブ
配信します。よろしくお願いします。
https://twitcasting.tv//indexlicense.php
上記の利用規約を熟読して、通報よろしくお願いします。

 

 

 

 

   Unknown (サブチャンネルBANおめでとうございます!!)  2020-12-26 08:47:41
 
https://www.youtube.com/channel/UCPD7RKZgGMauI46AHrIDx0w

大将のサブアカウントの一部が停止されました。


既にサブアカウントのURLといっしょにメインチャンネルの通報を行っています。

大将が運営からさゆふらっとさんが受けたようなチャンネル作成禁止の永久BANの通告を受けたのかは知らないけど、永久BANになるとYouTubeの運営に「個別の動画の何分に規約違反がある」と通報しなくても、「YouTubeのチャンネル通報」を数分だけで通報作業が楽になりますね
 
 
   Unknown (Twitterとココログも通報を)
2020-10-19 09:02:24

https://twitter.com/ric_koshimizu/status/1168970408860815360
https://twitter.com/ric_koshimizu/status/1289505610476576768
https://twitter.com/search?q=%40ric_koshimizu%20 ユダヤ&f=live
https://twitter.com/search?q=%40ric_koshimizu%20 朝鮮&f=live
https://twitter.com/search?q=%40ric_koshimizu%20   ホロコースト&f=live

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