「包丁を振り回して暴れている人がいる」人は警察が対応してくれます。
しかし、
「包丁を持って自殺しようと引きこもっている」という場合、精神科医療が向かうことがあります。
頭の切れる刑事課長や生活安全課の課長だと、保健所通報して公立病院の精神科に依頼が来るのです。
「直ちに往診して欲しい」
というやつです。
警察はというと
自傷他害があれば、警職法2条で保護をしなくてはなりません。
まずは、本人の身の安全、周囲の安全を第一に優先します。
そして次に、刃物を持っているのであれば「業務以外で、刃渡り10㎝以上のものを所持している」など法的規定があれば「銃刀法違反」で検挙することになります。
刃物を持って振り回していれば、客体はいませんが、その行為に対して「無差別に傷つけようという意図や計画性が存在すれば傷害罪」「何らかの危険行為にかかる条例違反」で検挙するかもしれません。
こうして、一時的に身柄確保はされるのですが、それはあくまでも、警察と被疑者がコミュニケーションがとれる場合に限っての話です。
そうでない場合どうなるのでしょうか?
つまり、「何かおかしなこと話しているぞ」となったときです。
「俺は、天皇家の末裔だから狙われている」
「火星からやってきたのが公安警察にばれた」
「莫大な資産を狙っている奴らに取り囲まれているんだ!」
こういった事情で錯乱して刃物を振り回されても困りますね。
仮にそうだとしても、その人の思想にまで警察は踏み込むことはできないのです。
民事不介入の原則です。
ここで、精神科医療の出番となるのですが、こういう人にはどうするのか?というと別にCVPPPを使うわけではありません。笑
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「私は◎◎病院から来ました、看護師の××です。
あなたが、今困っているようなので、話だけでも聞きにきました。
宜しければなんですが、今困っていることをお聞かせ願いませんか?」
と接近します。
患「お前は捕まえに来たわけではないのか?」
「はい。困っている人がいるので、話を聞いて何か助けてあげて欲しいと」
患「そうか。実は。。。。。」
・
・
・
「ところで、どこか病院に通われてますか?主治医がいれば相談しましょうか?」
患「□□病院(精神科)の■■先生だ!」
「そうなんですね。一度相談しに行ってみませんか?」
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こんなやりとりです。
実際、精神科病院に入院歴、通院歴のある患者であることばかりです。
つまり、初発の人ではない。
話をすすめていくと、退院して半年たつが、1週間くらい前からデイケアの人間関係でもめて眠れなくなった、眠剤を飲んでも眠れないため、考え事がとまらなくなり、服薬を中断しデイケアにも通所しなくなったということでした。
一般の精神科看護師だと「対人関係トラブルによる服薬の自己中断が悪化の原因」と考えます。
しかし、実際は違います。
この患者は、もともと、こういった統合失調症の人ではありませんでした。
以下が実際の外来受診~入院までの流れです。
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資産家の家に生まれた患者は、兄弟の中で学業はパッとせず、実業高校に入学できたものの、休みがちになり、喫煙や飲酒、お金を無心してパチンコや外食ばかりの放蕩生活をしていました。
当然、高校を卒業しても定職につくことなく、ダラダラとお金を無心して放蕩生活をしていました。
昼間寝て、夜起きて活動する昼夜逆転の生活では、家には悪い友達がやってくるようにもなっていました。
遊ぶお金がなくなると、母親に暴力を振るったり、暴言を吐いたりしていました。
家庭の事に我関せずの父親に相談することもできず、
このような状況が続くため、母親が精神科病院の門をたたいたところから始まります。
「最近、イライラしていて眠れていないようだから、一度、健康相談しにいかない?」
そう言って、母親は当時18歳だった患者を精神科病院の外来に受診させました。
インターネットが発達しておらず、スマホもない時代、患者は、その病院が精神科病院だとは知らず母親の言うがままにタクシーでその病院まで来院し外来で受診します。
「お母さんも困っているし、あなたも生活を見直したい気持ちもあるようですから、1か月くらい入院してみませんか?」
そう言って、閉鎖病棟に入院することになります。
入院してみると、そこは劣悪な環境でした。
ベッドはあるが、仕切りのカーテンはない。
廊下ではブツブツ独り言をしている人がいたり、へらへら笑っている人もいる。
壁の向こうから、扉を叩く音も聞こえる(隔離室からの音)
患者は「おい、ここから出してくれ、退院したいんだ」
と看護人に訴えます。
看護人「Aさん、あんたは主治医の許可がなければ退院できないよ。」
患者「じゃあ主治医を早く読んでくれ」
看護人「先生は忙しいから、明日かな」
そして、まだ16時30分頃なのに、夕食の時間が始まる。
ホール(食堂)に集まり、静かに食事が配られる。
そして配薬の時間だ。
配薬カートに一列に並んで、名前を言って薬をもらう。
2人の看護人に見張られた状態で口の中に薬剤を投与され、服薬後は口の中を確認された。
「今日は酷く疲れた、身体も怠い、寝よう。明日は主治医に相談して退院するんだ」
そして、患者の初日が終わる。
~入院2日目~
患者「おい、主治医を呼んでくれ」
看護人「午後に来るよ。呼ぶから待っててください」
朝食後の薬を飲む。
頭が重たい、倦怠感、眠気も強い。
とりあえず、ベッドで横になろう。
「××さん、先生来たよ」
慌てて、診察室のある、詰所に向かう。
詰所を通り、診察室に入る。
患者「こんなところじゃ生活できない。先生、俺、退院するよ」
医師「と言われましてもね、まだ焦りとかイライラがあるようですし。とりあえず1か月休んでください」
患者「別にイライラしてないよ、焦ってもない」
医師「1か月の入院とお伝えしたのに、2日目で退院したい、こんなところで生活できないと言われたら、そう受け取るしかありませんよ」
患者「なんだそりゃ!?屁理屈こねやがって。早くここから出せ!!母親を呼べよ!」
医師「特別室空いてます?セレアキ筋注で」
すると、2人の看護人がやってきて、笑顔で
「××さん、少し落ち着こうよ。」
と言い、患者の両脇を抱え診察室から連れ出します。
そして、別の通路を通り、刑務所の独房のような部屋の前まで連れていかれます。
「ここで少し休んでください。大声で呼んでもらえれば来ますから」
ボディチェックを受け、両脇を抱えられ2人の看護人と入室する。
「うつ伏せになってください」
と言われ、うつ伏せになると、誰かが部屋に入ってくる。
「注射しますよ。」
その瞬間、ズボンを下げられ、臀部に痛みが走る。
10秒くらいだろうか、痛みが収まり、看護人たちが部屋の外へ出ていく。
意識が朦朧としてきた。
部屋の外から看護人の笑い声や隣から看護人を呼ぶ患者の叫び声、鉄の扉を叩き続ける音が脳裏に響く。
「ダメだ、身体が動かない。頭もボーっとしてまともに考えられない」
「これでは気が狂ってしまう」
「これからどうなっていくのだろう」
まどろみの中、意識が遠のいていく。
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特別室と言う名の隔離室、独房廊下に響き渡る、看護師を呼ぶ叫び声、一晩中ドアと叩き続ける患者。
内服すると、頭の中がグルグル回り始める、向精神薬。
このように、治療という名の強制的な鎮静と監禁によって一般人が精神障害者になっていきます。
精神障害者とは、政府と家族が作り出しているものであることは以前の記事で書きました。
・人間の自立を阻害するものが、障害者年金制度と生活保護制度だとしたら?
そして、先ほど述べたような、入院までの生々しいエピソードによって、抗精神病薬の副作用により、「幻聴」「妄想」「幻覚」が出てきます。
それをインタビューやコミュニケーションで「何か困ったことありませんか?」と問いかけられた時、
「他人の声が聞こえる」とでも言おうものなら、
「はい、精神障害者一丁上がり!!」
となるわけです。
当然、その前に医療費の支払いのために、障害者福祉手帳の申請をPSWから家族には勧められてはいると思いますが。
(NO DRUG,KNOW DRUG薬物乱用防止キャンペーン in 横濱)
(NO DRUG,KNOW DRUG薬物乱用防止キャンペーン in 横濱)
これ、本当に治療なのかな?と思います。
実際の救急の現場では、急性精神反応、亜混迷などで搬送されてくる患者に対しては、セレネースを静注して「持続睡眠療法」というセデーションを行い、脳の興奮を鎮静させてから、2,3日後から言語的介入をします。
そういった患者は、退院後、服薬なしで日常生活に戻っていく例が多かったです。
ただし、急性精神反応や亜混迷になる人の特徴としては、ストレスに弱い、一杯一杯になったとき、息抜きができないため、再発するおそれがあるのですが、別に幻聴や幻覚があるわけでもなく、単に「脳機能の使い方が下手な人」なだけです。
従って、数十年に渡って、言われてきた統合失調症の症状とは、「薬害」と「監禁」による2つの弊害から来る、脳機能異常であることが明らかです。
そして、薬漬けにされ、障害者年金や生活保護制度によって、いよいよ、精神障害者となっていくのではないかと考えられるのです。
心の問題は、薬では解決しないのです。
人間の脳機能はそんなに単純なものではないという事でしょう。
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