心のハンドル操作方法 幸せに生きるための教習所

旧精神科医療は思想警察なのか?

自立とは? 過保護は育児放棄と同じ、過保護が人間性を奪う

2025年02月15日 | 世界一分からない日本の精神科医療と精神科看護

2020年9月18日 子育て&教育 ひと言コラム
子どもの自立へ直結。子育て中、過干渉・過保護にならないために https://www.shinga-s-club.jp/column/%E5%AD%90%E3%81%A9%E3%82%82%E3%81%AE%E8%87%AA%E7%AB%8B%E3%81%B8%E7%9B%B4%E7%B5%90%E3%80%82%E5%AD%90%E8%82%B2%E3%81%A6%E4%B8%AD%E3%80%81%E9%81%8E%E5%B9%B2%E6%B8%89%E3%83%BB%E9%81%8E%E4%BF%9D%E8%AD%B7/

精神科看護実習で大切になってくるのは、直接的に精神症状を改善することではありません。

当事者の同意なき強制医療と言う名の「精神科薬物療法」や「閉鎖処遇」と呼ばれる治療環境によって、自律性が奪われた人の人間性をどのように回復させるかが課題となるのです。

看護学生が受け持つ2週間程度で、どのくらい自律性、自立性を失った人が回復するかは未知数ですが、精神科看護実習では「人生とは?」「自律性や自由の大切さ」を感じ取って欲しいと思いながら学生指導をしています。

 

人間は社会で生活する生き物です。

社会とは何かというと、2人以上集まればそこは集団や社会と呼びます。

社会にはルールとモラルが必要になります。

この2つがないと、秩序を維持できず、社会が崩壊してしまうからです。

「無人島で生活したい。仕事もしなくて良い、学校で勉強もしなくていいから」

と発言する人がいます。

ある意味、無人島は自由ですが、電気が通っていないし、ネットが通じていないのでスマホも使えませんし、食料も自給自足の生活になります。

便利さを失う代わりに、自由を手に入れるのです。

便利さとは「時間」とも言い換えられます。

現代社会は、どんどん家電が発展し便利になり、家事に「時間」をとられることがなくなりました。

しかし多くの人が、時間をどのように使って良いのか分からず、だらだらとスマホを見て過ごしたり、パチンコなどのギャンブルをしたり、お酒を飲んで過ごしてしまい時間を浪費します。

 

精神科病院に入院すると、「病棟ルールに従うことが治療だ」と言われ、様々な生活制限を強いられます。

貴重品や、所持品の制限があり、カミソリや耳かきは危険物と呼ばれ自己管理できなかったり、スマホ持ち込み禁止、パソコン禁止など、一般社会では考えられないような制限だらけの生活をしています。

また、治療上必要と言われ、「外出制限、面会制限」といった外部との交通が制限されます。

(コロナ禍以降は、感染対策によって外出制限もされて、今なお窮屈な生活を強いられています。)

衣類以外、私物がない状態で入院生活をしなくてはいけないので、娯楽も何もありません。(ベルト所持も禁止されます)

「暇はあるけど、やることがない」

のです。

必然的に、向精神薬の影響による倦怠感や、錐体外路症状による筋肉のこわばりによって、1日中ベッドで寝ている生活が中心となってしまいます。

この状態を、病棟スタッフは

「薬が効いていて、鎮静がかかっているため精神状態が落ち着いている」「薬のおかげだよ」

と解釈したり

「統合失調症の代表的な症状の1つである陰性症状だ」

と「病気による影響」と表現しますが、実際は治療による弊害なのです。

 

所持品や行動範囲を制限されることで、「時間の管理」を自分でできなくなります。

ある意味、社会と繋がったり、自己の能力を向上させる道具を制限される自由を奪われているのです。

 

1つ例え話をしたいと思います。

過保護な親がいたとします。

「学校に行くと、子供がイジメられるから」

「外に遊びに行くと、交通事故にあう危険があるから」

といって、家の中だけで生活させていたら子どもはどうなるでしょうか?

 

子どもの自立する能力、つまり「自分で考え、自分で行動し、結果に責任を持つ」が芽生えなくなってしまいます。

人間はある程度自由を与えないと自立性が成長しません。

一方で、自由を制限することで、簡単に自立性を奪うことができるのです。

そして、一度自立性を奪われた人間は、簡単に取り戻すことができなくなります。

スポーツは、毎日練習で体を動かすことによって、本番の試合で活躍できます。

「昔やっていたから」という理由だけで、いきなり運動すると、筋断裂を起こしたり、靭帯損傷を起こします。

人間の脳も同じように、いきなり自立しようとすると、脳が疲労や怪我によって、うつ症状が現れ、意欲低下につながってしまいます。

 

精神科リハビリテーションで必要なのは「自由」なのです。

薬を飲まない自由、外出の自由、金銭管理の自由なのです。

(大熊一夫さんも著書の題名にしています

「自己管理させたら、月末までに使い切ってしまう、外に出て自由にさせたら、地域の人に迷惑をかけて白い目で見られてしまう」

という考えでは、いつまでたっても自立心が芽生えません。

これでは「いじめ」や「事故が怖い」からという理由で家に子供を閉じ込めておく親と同じです。

人生は「準備して挑戦すること」が重要です。万が一失敗したら、「失敗してから考えよう」で良いのです。

そして、「失敗は経験」なのです。

 

社会的入院や施設症は、過保護が産み出しているのです。

医療がリスク管理しかしないため、過保護を産み出し、社会的入院を産み出すのです。

 

精神科急性期は一般救急医が鎮静をかけ、回復期は脳神経内科が請け負えば良いのです。

そして、家族や地域との関係は、行政と福祉が担うべきなのです。

厄介者に病名をつけて閉じ込めておくことは、時代遅れなのです。

就職し社会復帰させる、自立させる、自立支援施設としての機能がこれからの精神科病院の役割だと私は思います。これは病院医療ではなく、福祉の役割なのです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« No psychiatric day care | トップ | 次の記事へ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

世界一分からない日本の精神科医療と精神科看護」カテゴリの最新記事